後輩がタメ口?

コミュニケーション

みなさん、こんにちは。

診断士の業界は一般企業とは異なり、年齢と先輩後輩の概念が比例しません。
年上だけど後輩、年下だけど先輩という場合もあります。

この場合に問題が起きやすいのは、前者の「年上だけど後輩」の人が、後者の「年下だけど先輩」の人にタメ口や失礼なことを言ってしまうケースです。
これは特に55歳以上の方によく見られる傾向です。

今回はこちらについて見ていきます。

それでは、今回もよろしくお願いします。

ある懇親会での出来事

僕が診断士の先輩として参加したとある懇親会で、こんなことが起きました。

水村さん、私今年で算賀になるんですよ

え?サンガ?

鈍いなー。60歳だよ。それくらい先輩なら知ってないと!

このように言われたことがありました。

この後輩は僕より年上です。しかし、診断士としては僕のほうが先輩です。

認知的不協和が起きてしまう

さて、いかがでしょうか?

これはそこそこ失礼ですし、謙虚さがない証拠になります。

仮に言ってきた人が年上で、診断士としても先輩の人なら、このように言われてもまだわかります。

しかし、年上だけど後輩の人に言われると、なんだかモヤモヤします。

これは、先輩(この場合なら僕)の頭の中で認知的不協和のようなことが起こるからです。

「認知的不協和」とは、矛盾する考えや行動が自分の中に同時に存在することで生じる心理的な不快感やストレスのことです。
日本人の価値には年功序列が根強くあるため、「先輩=年上」、「後輩=年下」という考えが強く存在しています。
「年上だけど後輩、年下だけど先輩」というのは、矛盾する条件が存在しているようになり、認知的不協和が起きやすい環境です。

年上の後輩がタメ口になる理由

ここを押さえると、先ほどの認知的不協和が生じる理由、つまり「なぜあの手の人が平然と失礼なことを言えるのか」が腑に落ちます。

結論から言うと、その人は「年齢」と「場のノリ」を、資格や立場より上位の序列として使っているからです。

以下で順に説明します。

①序列基準が「年功>専門性」になっている

その人の頭の中の序列は、おそらく「年齢が上 、社会人歴が長い=上位」と考えていて、診断士のような専門資格の先輩後輩は頭に入っていません。

つまり本人にとっては、「診断士としては後輩」という事実は、ほぼ考慮されていません。
その一方で、「俺の方が年上で、社会人歴も俺のほうが長い」を絶対的な上下関係にしています。

だから心理的には「年下にツッコミを入れて何が悪い?」という感覚で、無意識に振る舞えるわけです。

②「年上=指導・評価してよい」という信念

①で見た年齢や社会人歴の長さだけで上下関係を判断するタイプに多い思考癖です。

年上は注意する側であり、年下は受け取る側。指摘をすりのは面倒見の良さ、愛情、コミュ力の証。
本人の中ではこのように思っていて、失礼なことを言っているつもりはなく、むしろ面白くしてあげている、教えてあげていると思っています。

いわば、「善意のフィルター付きの失礼」なので、悪気はなく、自分の中でブレーキがかかりません。

③年齢差+タメ口=「擬似的な上下固定」

タメ口でツッコミを入れる行為は、関係性を固定する力があります。

その年上の後輩にとって、タメ口は対等か上位を宣言するものという思いです。それによって「年下だが先輩」という関係性を無効化できます。

④ 「診断士としての後輩」という事実を見ていない

正直なところ、ここもあると思います。

「自分は後から合格した者であり、自分の周りには年下の先輩がいる。これにより上下が逆転している」

これは認知的不協和を招くものであり、プライドにとっても地味に効くものです。

そこで取られがちなのが、年齢で序列を取り戻す、冗談・ツッコミで上下を再構築する、「場のノリ」で正当化するなどのリカバリー行動です。これは無意識に行われています。

何度もやっている場合、周囲が強く止めない経験を積んでいるために誤学習をしている可能性もあります。
先輩にタメ口でも今まで大きく咎められなかった、笑って流されてきた、空気が悪くなっても「冗談」で済んだことの積み重ねで、「このくらいは許される」という学習が完成しています。

今回は年上だけど後輩の診断士が、年下だけど先輩の診断士にタメ口で言ってしまう例を見ていきました。

今回もありがとうございました。