みなさん、こんにちは。
今回は僕が飛行機に乗っていて印象に残った出来事をご紹介します。
ありがたいことに、最近は北海道や東北、広島、福岡などのイベントや仕事にも呼ばれるようになり、飛行機を利用する機会も増えてきました。
そんな飛行機に乗っていたある日の出来事を今回はご紹介します。
それでは、今回もよろしくお願いします。いや、今回もありがとうございます。
飛行機の遅れ
福岡で行われたイベントの帰りの飛行機、「福岡→関空」の便で起きました。
ちなみに、LCCのピーチ航空を利用していました。LCCと聞くと「ローコスト」というイメージからCAさんの接客が悪いと想像される方もいらっしゃるかと思いますが、全くそんなことはありませんでした。

福岡空港は羽田空港や新千歳空港と同じく、飛行機の便が多いため離発着の飛行機で混雑します。この日の飛行機は他の飛行機の遅れや飛行機の渋滞のため、離陸の時点で15分遅れでした。
また、関空に着陸してからも、15分遅れていることから他の飛行機を先に出発させていたこともあって、なかなか搭乗口に着かず、降りることができませんでした。
最終的には25分遅れにまで拡大しました。
さて、この場合、乗客はイライラしますよね。
飛行機は着陸してもシートベルトサインは消えません。シートベルトサインは最終的に搭乗口に着いてから消えます。
しかし、遅れている焦りやイライラから、搭乗口に着く前からシートベルトを外して荷物を取り出そうとする人もいました。
LCCは席と席の間が狭いため、まだ飛行機が移動する状況で席を立つと乗客が転げてしまう、椅子にぶつかってしまうなど危険です。
そこで、CAさんが注意のアナウンスをしました。それがすごかったのです。
「まだシートベルトのサインは消えていません。搭乗口に到着後、シートベルトのサインが消えますので、今しばらくお待ちください」
そして
「安全運行へのご協力、お願いします」
ではなく
「安全運行へのご協力、ありがとうございます」
と言ったのです。
僕はこの「お願いします」を「ありがとうございます」に変えて伝えたことに感銘を受けました。
注意する方向での「お願いします」や「〜しないでください」だと、相手はネガティブな印象を受けます。焦ってシートベルトを外している人だけに言うならわかりますが、全体へのアナウンスなので、そうでない人にとってみればとばっちりですよね。自分は関係ないのに怒られた気がして不快になるでしょう。
これは、関係ある人にきちんと指示を聞いてもらい、関係ない人には不快にならないようにするための魔法の言葉だと思います。おそらく、長年の経験でマニュアル化されているのだと思います。
この「お願いします」を「ありがとう」に変えるのは注意する方向のものだけであって、注意する方向以外の「お願いします」はむしろ大歓迎です。「ありがとう」と同じくらい、謙虚な人はよく使っています。
この「ありがとうございます」のアナウンスがあった結果、シートベルトを外して荷物を取り出そうとした人も座ってシートベルトを付け直しました。
そして飛行機は無事に搭乗口に着き、安全運行を果たすことができました。
そんな安全で快適な空の旅だったからでしょうか、関空に着いたらこんな幻想的な飛行機の写真が撮れました。

他の事例
この「お願いします」や「〜しないでください」を「ありがとう」に変えてうまくいった例は他にもあります。
例えば迷惑行為を注意するときもそうだと思います。最近は駅やコンビニのゴミ箱に家庭ゴミを捨てる問題が増えていますが、ここで「家庭ゴミを捨てないでください」と言うよりも「いつもご利用いただきありがとうございます」と言ったほうが家庭ゴミを捨てる人が減った事例も出ています。
トイレもそうですよね。「きれいなトイレの維持にご協力お願いします」や「汚さないでください」ではなく、「いつもきれいに利用してくださり、ありがとうございます」と言ったほうがトイレをきれいに利用してくれます。
図書館や自習室でも同様です。「お静かにお願いします」や「会話はご遠慮ください」と言うより、「快適な空間へのご協力、ありがとうございます」と言ったほうが、うるさくする人は少なくなります。
ほめ達のスキルでもある
これはほめ達でも見ていきました「ピグマリオン効果」によるものです。つまり、他者からの期待によって、その期待通りの成果を上げやすくなるというものです。感謝の言葉は、相手に良い影響を与え、良い行動を促す効果が期待できます。
ほめ達では「ありがとう」もほめることに該当します。「お願いします」や「〜しないでください」を「ありがとう」に変えて言うことは、ネガティブなフレーズをポジティブなフレーズに変換するほめ達のスキルでもあります。
実はほめ達のスキルは航空業界ではよく取り入れられていて、実際にスカイマークはほめ達の研修を受けています。それにより顧客満足度や従業員満足度、定時運行率が向上しました。ここからは僕の推測になりますが、ピーチのような競合他社も研修とまではいかなくても、ほめ達のスキルを学んでいると思われます。
迷惑行為をするのは、自分のことしか見ていない(周りが見えていない)だけです。他の人の気持ちが考えられない、視野が狭いだけで、周囲の人を不快にしてやろうとしてやっているわけではありません。特に焦っている場合やメンタルの負荷がかかっている場合、集団でいる場合(集団浅慮が出る場合)はそのようになりがちです。決して悪意はありません。
今回は「お願いします」を「ありがとう」に言い換える例を見ていきました。
ほめ達の復習にもなりましたね。
今回もありがとうございました。