みなさん、こんにちは。
今回は前回見ていきましたパーソナルスペースの概念がない人、つまり「トナラー」に中高年の人が多い理由を見ていきます。
前回の記事の通り、パーソナルスペースの「広い・狭い」は実際の表現とイメージが逆になりがちです。パーソナルスペースは「入ってくると不快に思うエリアの範囲」のことです。そのため、トナラーはパーソナルスペースが「狭い」です。逆に僕のように隣に人が来るとすぐにソワソワしてしまう人はパーソナルスペースが「広い」です。
そして、パーソナルスペースは若者ほど広く、中高年ほど狭い傾向にあります。中高年に「パーソナルスペースの概念がない」と感じられることには、いくつかの背景的な理由や社会的要因が関係しています。今回はその主な理由を説明していきます。
それでは、今回もよろしくお願いします。
中高年の世代的な理由
まずは「昭和世代だからこその理由」を述べます。これは年齢は関係なく、昭和の頃の若者もこうでした。
育った時代の価値観・文化の違い
まずはこれですね。昭和から平成初期にかけて、日本社会は今よりも「個人の空間」より「集団性・同調性」を重んじる傾向が強くありました。そのため、昔は「プライバシー」や「個の尊重」という考えが希薄でした。今の若者のように「自他の境界線を尊重する」教育を受けてこなかったので、昔は「プライバシーの保護」に無頓着でした。密な人間関係が美徳とされ、「距離を詰める=親しみ・礼儀」とされる文化がありました。
よって、教室・職場・家族間など、物理的にも精神的にも“距離が近い”生活が当たり前だったため、その価値観でそのまま現代も行動してしまっているのです。
若い頃から「距離が近いのが礼儀・親しみ」と教わってきた世代は、年齢を重ねるとますますそのスタイルを変えづらくなります
IT社会・SNS文化の非経験
中高年と言えばこれでしょうか。
現代の若年層は、SNSやネット文化で「距離の取り方」や「空間感覚(オンライン・オフライン)」を自然と学んでいますが、中高年はその経験が乏しい人が多いです。そのため、デジタルなコミュニケーションが育てた「新しい距離感」に馴染みが薄く、「空気を読む」とか「人の反応を見る」ことの訓練の機会が少ないです。
ちなみに、電車で中高年の男性が男性の隣に座りやすい理由としては、女性の隣に座ると痴漢を疑われる面もあります。また、痩せている男性の隣だと自分のスペースが広く確保できるので、痩せている男性は中高年の男性(特に太っている人)が隣に来やすいです。はい、僕がまさにそれで、隣に太っている中高年の男性が来やすいです(笑)
若い頃より中高年になるとパーソナルスペースが狭くなってしまう理由
では今度は若い頃と比べて中高年になるとパーソナルスペースが狭くなって他人のパーソナルスペースを侵食しやすい(=他人との距離が近くなる)理由を見ていきましょう。
つまりこれは今の若者も将来的にそうなってしまう可能性があります。
加齢による感覚機能の低下
理由としてイメージしたのはこれが多いかもしれません。加齢によって、五感(特に聴覚・視覚・空間認識力)が衰えると、無意識に他人に近づくようになります。
中高年は加齢によって視野や空間認識能力、相手の表情や反応の読み取り力が鈍くなっています。そのこともパーソナルスペースにズケズケと入ってしまうことに影響しています。距離感がつかみにくくなり、相手の「不快なサイン」に気づきにくくなります。
また、単純に聴力や視覚の衰えによって相手に近づかないと聞こえない・見えないこともあります。電車の中で高齢者が大声で話すのは声が聞こえにくいことも理由にありますが、それと同じです。こちらはまだ仕方ない面があります。
本人は「普通に接している」つもりでも、実際にはかなり近づいていることが多いです
抑制力の低下
先ほどの加齢の例とも言えますが、前頭葉(抑制や共感に関わる部位)の機能低下により、相手の気持ちを読みづらくなります。結果として、「距離を取るべき場面でも近づいてしまう」ことが起きやすくなります。
社会的欲求・孤独感の増加
「寂しいから」という理由もあります。
中高年になると、退職や子どもの独立で社会的な接点が減少する、配偶者や友人の死別で親しく接する人が減少するなどにより、「一人でいる時間」が増え、誰かと関わりたくなるのです。結果として、他人との距離を縮めようとする=物理的な距離も近くなる。
この「人とのつながりを強く求める傾向が出てくる」ということを押さえておくと、トナラーの労をねぎらいやすくなります
社会的役割と自己中心性の変化
ある程度年齢を重ね、社会的に「上の立場」や「慣れた環境」に長くいると、他者への配慮が薄くなる傾向があります。また、社会的な立場や経験から、自分のやり方に自信を持っていて、「自分はこれでやってきた」という誇りもあります。
いつの間にか謙虚さがなくなった国会議員が最たる例ですね。
そのため、「自分のやり方が正しい」という確信が強くなるほか、周囲の人も注意しにくくなるので無意識に距離感がズレていきます。
今回は中高年にトナラーが多い理由について述べていきました。
今回もありがとうございました。