専門分野があったほうがいい理由

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みなさん、こんにちは。

今回は専門分野について見ていきます。

独立開業した先輩のホームページを見てみると、「この業界は得意です」という案内があります。例えば建設業が得意です、美容業界が得意です、などですね
それは別に「それ以外の業種はお断り」という意味ではありません。しかし、なぜそういう得意分野と言うか、専門分野があったほうがいいのでしょうか?

今回はそんな内容を見ていきます。

それでは、今回もよろしくお願いします。

今回のサムネ画像は土讃線を走る「四国まんなか千年ものがたり」です。これも接客に専門性の高いスタッフが乗車し、乗客の満足度を高めてリピート利用を促しています。

専門分野がある診断士

例えば僕の知り合いの診断士にホテル業界に強い診断士がいます。この方の専門分野はホテル業界ですね。もちろん他の業界の顧客もいますが、顧客のほとんどはホテルや旅館で、年収何千万円も稼いでいます

ホテルや旅館のコンサルティングの経験数が豊富だからこそ、例えば料理の出し方1つにも問題点を見つけることができ、改善策の提案ができます
また、例えば食堂のレイアウトのことを社長から相談されても、普通の診断士では「利用客がスムーズに通れるレイアウトにする」など簡単なことしか言えません。しかし、ホテルや旅館のコンサルティングの専門家なら「このデザートは食べ方がわかりにくいです。従業員はいつも見ているから食べ方がわかるけど、初見の利用客だとわかりにくいから食べ方の紹介を載せましょう」などと質の深い提案ができます。これは普通の診断士では気付けない、提案できない内容です。

このように、専門分野をもったほうがいいのは質の深い改善策提案や伴走支援ができるからです。

ただし他の分野も基礎的な内容は必要

もちろん、基礎的な内容は他の分野からも広く浅く取り入れておく必要があります

ちょうど医者が研修医の際にいろんな科をローテーションで経験するようなものです。内科医だからと言って外科的なことや精神科(メンタル)のことがわからないと医者として務まりません。

先ほどのホテル業界が専門の先輩も、他の業界からのコンサルティングの仕事もわずかですが受け持っています。ホテル業界のコンサルティングの活躍の話を聞いて、他のホテルや旅館はもちろん、そうでない業界の会社からも「ぜひうちでもお願いします」とお願いされることもあるそうです。

「私はホテル業界以外はお断りです」とは言わないですし、「いやぁ、ホテル業界以外はわからないですわ」とも言いません。だからこそ、ホテル業界以外の業界の基本的な内容をストックしています

別にこれはこの先輩に限った話ではありませんよ。
例えば商工会議所やよろず支援拠点など公的機関で相談員の仕事をする場合は、いろんな分野の企業が相談に来ます。そのときに「あ、それ私の専門外なので無理です」とは言えないですよね。専門外の分野の企業の相談にも乗れるように、業界ごとの傾向や事例、改善策の内容など、基礎的な内容は押さえておく必要があります

自身の経験分野か得意分野がいい

企業内診断士の方なら、ご自身の企業の分野なら専門性が高いと思います。例えば科学メーカーに勤務されている方なら科学系の製造業専門の診断士になれば質の深い提案や伴走支援ができます。

ちなみに、自動車メーカーと電気メーカーは出身者がたくさんいるため、それだけだと専門性はあっても競争にはなかなか勝てません。差別化や競争優位を図るためには他に差別化に繋がるような強みが必要となります。

得意分野は趣味でもOKです。例えば野球が趣味で草野球とかをいつもやっているような方なら、スポーツ用品店専門の診断士になれば質の深い提案や伴走支援ができます

スポーツ用品店は診断士の2次試験でも2回ほど出題されたことがあります。直近だと令和5年度の事例Ⅱの野球専門店ですね。僕が合格した年の事例で、口述対策のために実際のモデルとなった企業(千葉県鎌ケ谷市にあります)を見に行きました。

得意分野なら業界の知識にも詳しいですし、勉強も苦ではありません。経験はなくても専門分野をもつ人と同じように質の深い改善策提案や伴走支援ができます
また、半分趣味のような感覚で調査や作業などもできますので、モチベーションが下がりにくいメリットがあります

交通系診断士も実は得意分野から来ている

僕が「交通系診断士」の路線を目指しているのも、鉄道好きから来ています。

よく他の診断士の方から聞かれることなのですが、鉄道ファンは飛行機や船、バス(高速バスや路線バス)にも抵抗はありません。鉄道系YouTuberの動画を検索していただくとわかりますが、鉄道だけではなく飛行機や路線バスの動画もあります
逆に飛行機好きは飛行機のみで、鉄道や船、バスには疎いことが多いです。船好き、バス好きも同様です。

そのため、鉄道好きは「交通系診断士」として交通関連の企業のコンサルティングや執筆などに関わるチャンスがあります。確かにJRや大手私鉄、航空会社のような大企業は無理ですが、中小の私鉄や駅弁事業者、中小のバス会社、タクシー会社などは中小企業診断士として仕事につながる可能性があります。また、新幹線や飛行機の中で冊子を見たことがあると思いますが、この記事の執筆の仕事も可能性があると思います。

診断士の2次試験でも平成20年度の事例Ⅰで飛行機の機内食(アントレー)を出している会社の事例が出たことがあります。また、TACの2次対策の演習問題で兵庫県の駅弁屋(淡路屋)が登場したことがあります。

そういう交通関連の中小企業の社長や有名社員とつながることで、他の交通関連の企業の仕事を得ることもできます(もちろん反抗的な態度を取らない、定期的に接するなどの条件はあります)

今回は専門分野をもったほうがいい理由について見ていきました。

今回もありがとうございました。