みなさん、こんにちは。
今回はほめ達のスキルを身につける上でものすごく重要なことを見ていきます。
それでは、今回もよろしくお願いします。
動機づけの2つの種類
これは診断士の方なら企業経営理論でやりましたね。ほめ達でも13個の理論を扱いますが、根底にあるのはどれも同じです。
簡単に分けると、低次欲求である外発的動機づけと、高次欲求である内発的動機づけに分かれます。
それぞれ見ていくと、このような特徴があります。
外発的動機づけ(低次)
・X理論、衛生要因
・他人によるもの
・ほめることをコントロールに使っている
・やりやすい
・効果は限定的かつ短期的
例えば、自己啓発本を読んでも3日後には冷めているのはこのためです。「本の内容」という外部のものによってもたらされるやる気ですからね。
内発的動機づけ(高次)
・Y理論、動機づけ要因
・自分によるもの
・ほめることを勇気づけに使っている
・やりにくい
・効果は大きく長期継続的
外発的動機づけと内発的動機づけでは、内発的動機づけのほうが重要とされています。これはモチベーション理論だけでなく、ほめ達としても同様です。
外発的動機づけはやりやすいものの、他人からのものなので効果は限定的で大きな爆発力はありません。
一方で、内発的動機づけは自分からのものなのでなかなか導火線に火はつきませんですが、一度火がつけば効果は大きく爆発的なモチベーションにつながることもあります。
ほめ達による「ほめる」は、他人からのものなので外発的ではありますが、ほめ達のスキルの高い人が行うと相手の内発的動機づけにつなげることができます。
ほめ達3級は体験者なので、まだスキルはありません。そのため、ほめても外発的動機づけになってしまい、(NGであるとはわかっていても)相手のコントロールに使うことにもなってしまいます。
しかし、1級やほめ達認定講師になると、高いスキルがあるのでほめると相手の内発的動機づけにつなげることができます。これは「相手のコントロール」にはなりません。
ある人に対してほめたけど、その場にいた他の人が「なぜ私にはほめてくれないの?」とか「あの人はいいけど、俺はダメということか」と思われてしまっているうちは、外発的動機づけ止まりになっています。
ほめることが上下関係や他人との比較につながっていて、1人がほめられると他の人が不満に思うとしたら、まだ外発的動機づけ止まりなのです。
正直なところ、ほめ達3級はこのレベルです。
2級はモチベーション理論を習いますが、ただ存在を知っただけで今回の内容のようなことは実感できません。
1級になると内発的動機づけにつなげることを薄々感じてきて、認定講師になると養成講座で明確に「外発的動機づけ止まりではダメで、内発的動機づけにつなげる」ことを理解します。
内発的動機づけなら自分の内部から出るもので相手との比較はないため、たとえ他人がほめられても自分が落ち込むことはありません。このような形につなげるほめ方こそが、ほめ達のスキルの高い人ができるやり方です。
そして、これができるのがほめ達1級やほめ達認定講師というわけです。
現代の組織では、創造性や主体性を発揮するなら、報酬や地位など外発的動機づけより、自分の内側から出てくる内発的動機づけが必要とされています。「自分で設定した目標に向かって自分から努力し、その目標を達成する」というプロセスそのものに、より大きな価値があります。
相手のコントロールに使う?
先ほど、「外発的動機づけ止まりだとほめることを相手のコントロールに使ってしまう。内発的動機づけまでいけるとコントロールに使うことにはならない」ということを述べました。
これについて、「ほめることを相手のコントロールに使ってはいけない」というのが、ほめ達のルールです。
しかしその一方で、ほめ達はほめ達検定を通じて多くの人にほめ癖をつける、組織にほめる習慣を醸成する活動をしています。
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これって矛盾しませんか?
これに違和感を抱いていた方もいらっしゃるかもしれません。
ほめ癖をつけることや、組織にほめる習慣を醸成させることって、相手をコントロールしてそうさせているように思えますよね。
でも実は矛盾しないのです。
つまり、ほめ達検定やほめる習慣の醸成は、ほめ達のレベルが高い人(主にほめ達認定講師)によって行われるものです。ほめ達検定の講師はほめ達認定講師のうち、検定を任せてもいいと太鼓判を押された選りすぐりの人ですし、ほめる習慣の醸成のために派遣される講師もほめ達認定講師です。
こういう人はほめ達としてのスキルが高いため、外発的動機づけ止まりの言い方はせず、相手(受講生や講演先の人)の内発的動機づけを促す言い方をします。なので、相手が自分からほめる習慣をつける(ほめ達検定では「ほめ脳になる」と表現)ようになるため、相手のコントロールにはならないのです。
相手のコントロールになるのは、外発的動機づけ止まりの場合です。
内発的動機づけにつなげるには
では、どのようにすれば外発的動機づけ止まりにならず、相手の内発的動機づけまでつなげるほめ方になるでしょうか?
それをここからご紹介します。
プロセス(過程)を褒める
成果(結果)だけ褒めると、「それができなきゃ価値がない」というプレッシャーになってしまいます。また、「できればほめられる、できなければほめられない」となってしまいます。失敗が怖くなることや、楽しさよりも罰を避けることにシフトします。これでは相手に依存することになってしまい、できてほめられた場合も外発的動機づけになってしまいます。
しかし、努力・工夫・試行錯誤についてほめると、「自分は成長できる人間だ」という感覚(有能感)が上がります。
また、プロセスは合否などと違って明確に分類できるものではないので、ほめる余地は大いにあります。例えば「そのアイデア出すまでの考え方がいいね」とか「前よりもスピード上がってるの気づいたよ」でもいいのです。こうすれば自分の中で成長実感を味わえるため、内発的動機につながりやすくなります。
成長や工夫を認めていき、相手に成長実感を味わってもらうようにします
本人の自主性をさりげなく尊重する
自主性がなくやらされていると、「やらせている人」に依存するため、外発的動機づけになります。
例えば、一見すると良さそうなほめ方かもしれませんが、「その調子で頼むよ」とか「今後も期待してるよ」というほめ方は義務感を匂わせてしまうため、自主性にはつながらず相手をコントロールさせてしまうことになります。
一方、「自主性」とは自分からすることなので、内発的動機づけになります。
そのため、自主性が守られるようなほめ方(プロセスをほめるなど)をすれば、本人の中でモチベーションが継続的に湧き上がります。
自主性とは、コントロールされていないことを意味しています
比較のニュアンスを入れずにほめる
比較でほめると他者が基準になるので、外発的動機づけになってしまいます。
例えば「Aさんより上手いね」とか「同期で一番だよ」は外発的動機づねの最たるもので、これだと結果にこだわってしまいプレッシャーになるだけでなく、他人との競争依存になってしまいます。
比較のニュアンスを入れないためには、この後出てくるような「具体的にほめる」や「感じた内容を入れる」が重要になります。
具体的にほめる
例えば「ここの文章は読み手への気配りが感じられてよかった」とか、「細かい下調べがあるから説得力が出てるね」などです。
単に「文章がうまい」とか「説得力がある」とほめるよりも、「説得力のあるうまいほめ方」になるので、相手にとって実感が湧きやすく、内発的動機につながりやすくなります。
「どう感じたか」を乗せる(貢献している内容を入れる)
評価ではなく感想の形式だと、コントロール感が消えます。
例えば「その説明、わかりやすくて助かったよ」とか「あなたのその一言で場が明るくなったよ」などです。
こちらも相手にとって実感が湧きやすく、内発的動機につながりやすくなります。
「どこが良かったのか、なぜそれが良かったのか」を言語化することで、「ちゃんと見ている感、相手への信頼」が相手に伝わるため、ほめられた行動が相手の内側で意味づけされ内発的動機につながります。
《今日のほめフレーズ》
●●さんにしかお願いできないのですが
今回はほめることを内発的動機づけにつなげることについて見ていきました。
これができれば、少なくともほめ達1級のレベルは大いに超えています。
今回もありがとうございました。