みなさん、こんにちは。
今回は「正しい積極性」シリーズの3回目として、コミュニティでの正しい積極性について見ていきます。
特に診断士1年目の方には有益な情報だと思います。
それでは、今回もよろしくお願いします。
いきなりコミュニティで存在感を出すのは危険
診断士に合格すると、特に3月や4月には様々なコミュニティに入る機会があると思います。
その際、入った瞬間からコミュニティのルールなどを変えにいく態度は取らないほうがいいです。
例えば1年目の診断士がコミュニティに入って、いきなり先輩を差し置いて馴れ馴れしい態度を取ったり、飲み会の中心になっていたり、新たな提案をしたりすることが該当します。
これをやると、今までのコミュニティの流れが変わってしまいますので、先輩の立場からすると現状維持バイアスが働いて不快感が出ます。つまり、先輩の満足度が低くなり、信用構築に至りにくくなります。もちろん先輩との人脈・ネットワーク構築にも仕事の獲得にもつながりにくくなります。
もちろんコミュニティを乗っ取りにきているわけではないことはわかりますが、それでも先輩からすると「今までやってきたことが変わるのは面倒。少しは遠慮しろよ」とか「なんでこんな新人がいきなりコミュニティの中心にいるんだよ」と思っても不思議ではありません。

僕も先輩になってはじめてわかったことです。1年目のときにご迷惑をおかけした諸先輩方、申し訳ありませんでした
「いや、新しい風は大歓迎ですよ」と言う先輩もいますが、気を遣っているか大人の対応をしているだけです。現状維持バイアスは誰にでも発動するものなので、悟りを開いた僧侶や仙人でもない限り、先輩の本心はモヤモヤしています。
ましてや「外から見ていてこのコミュニティはここが問題なので、こうしたらどうですか?」なんて言おうものなら、「生意気な奴だ」という思いしか出てきません。こうなったら満足度低下どころか敵認定されますので、このコミュニティから追い出されるリスクも出てきます。
例えば「勉強会をやるならウチの会社の会議室を使いますか?」なんて提案する方、ちょっと危ないです。たとえツテがあってもです。僕も今までこのような方を何人か見てきました。
先輩がいないコミュニティならそれでもいいです。しかし、先輩がいるならそれは控えましょう。
「え?だってそのほうが今より便利になるじゃん」と思うかもしれませんが、それと先輩の思いはまた別の問題です。
確かにこのとき、先輩も「いや、それはちょっと困ります」とは言いませんよ。いきなり否定や注意をして後輩に嫌われたくはないですからね。「それはありがたいです」と言ってくれる先輩もいるでしょう。優しい先輩ほど気を遣ってウェルカムの態度を「表面上は」取ってくれます。
しかし、優しい先輩に限らず先輩の内心は複雑です。なぜかと言うと、今まで使ってきた会場があって、現状維持バイアスが働くからです。
また、ドヤ顔で会場の提案をしたけどうまくいかなかった場合、その時点で先輩や他のメンバーが代わりの会場を探すなど尻拭いをすることになります。そうすると先輩や他のメンバーを振り回すことになり、迷惑をかけてしまうことになります。
そのような先輩の思いを考えずに新人がコミュニティのルールを変えるような提案すると、善意が自爆につながってしまうこともあります。

積極性は時に周囲を振り回したり余計なアンチやトラブルを生み出したりする結果につながります
ロケットスタートは大事だけど・・・
「診断士に合格したらロケットスタートをすることが重要である」ということを聞いたことがあると思います。一発合格道場でも「ロケットスタートセミナー」というものを開催しています。
しかしそれは「診断士のキャリア」についてであって、コミュニティの中ではロケットスタートはしないほうがいいです。
コミュニティに入ったら、最初は見学レベルからいき、コミュニティの雰囲気がわかってきたところで徐々に親しくなったり提案したりしてみましょう。たとえ改善策のツテをもっていたとしても、いきなり先輩に対して提案するのは避けたほうがいいです。
仮に新人でいきなり何かのリーダーや幹部などを任されたとしても、「諸先輩方に比べたらまだまだ何もできないかもしれませんし、先輩方をいろいろ頼ってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします」などと控えめな挨拶をしておいたほうが無難です。そういうのが「世渡りがうまい人」であり、謙虚な人であり、将来的に活躍する診断士です。
コミュニティの新人が意識すること
コミュニティの新人が意識しないといけないのは、積極性と距離感の加減です。
出しゃばってガツガツと提案するのはダメ、消極的すぎて置き物レベルになっているようでもダメ。
前者はアンチやトラブルを生みますし、後者は存在感がなく人脈・ネットワーク構築につながりません。絶妙な距離感を理解できる方が、コミュニティにスムーズに入れる方であり、世渡り上手な方であり、人脈・ネットワークを広げることができる方であり、活躍する診断士です。
積極的でコミュニケーション力が高い人、飲み会番長的な人こそ、コミュニティに新しく入った場合は距離感に要注意です。出しゃばっての提案だけでなく、馴れ馴れしい態度を取っても不快に思われます。僕はそれで何回も失敗して余計なアンチやトラブルを生み出した経験があります。
既存メンバーで積極的に発言する人がその新人のことについて何も発言しないとなれば、その積極的に発言する人を含め多くの既存メンバーが少なくとも新人の積極性(提案内容)を不快に思っている可能性が高いです。下手をするとアンチを何人か生み出しています。不快に思わないのは何も考えていない人か、空気を読むのがうまい人くらいです。
みんな空気を読んで前に出ていないだけです
先ほどの危ない積極性を見せている方だと、「あれ?このコミュニティの新人の中で積極的なの自分だけじゃん。みんな消極的だなぁ」と思ってしまうかもしれません。
そうです。あなたがしているそれは間違った積極性です。周りの人は消極的なわけではなく、空気を読んで出しゃばったマネをしていないだけです。
徐行運転が強いられている道路でいきなりアクセル全開で走るようなものです。周りの人はみんな徐行運転をしている中、1人だけアクセル全開で走れば、確かに目立ちます。しかしそれは「正しい積極性」ではありません。いわゆる「空気の読めない出しゃばり」です。

「自分は特別だ、優遇される存在だ」などという態度がコミュニケーションに出た時点で、「空気の読めない出しゃばり」になっていき、謙虚さは失われていきます
消極的なのはダメ。でも積極的すぎるのもダメ。しかも基本的に先輩は指摘してくれない。だからこそ、場面によって積極性の加減を正しく判断できる必要があり、それができる人こそが活躍する診断士です。
出しゃばってガツガツいく方は謙虚さがありません。自分の都合優先になっているわけですので。謙虚な方なら、最初は空気を読んで一歩退いたところにいます。そして、自分も既存メンバーもコミュニティに慣れてきたところで提案や距離を詰める接し方などをします。これは1年目の診断士だとピンと来ないかもしれませんが、僕が1年目で学んだことでもあります。
謙虚さがない方はもちろんですが、実は若い方もガツガツいくことをやってしまいがちです。まだ社会経験が少ないため、こういう「大人の付き合い方」がわからないのです。僕も20代の頃、そういうことをやってコミュニティを追い出されてしまったことがありました。
自分が積極的ならちょっと引く、消極的ならちょっと踏み出してみる、これが正しい積極性の目安です。ちなみに僕は前者のタイプなので、出しゃばりにならないように、引くべきところでは引くことを意識しています。
今回はコミュニティでの積極性について見ていきました。新人なら先輩の信頼を得るまでは提案をしないほうが無難です。まずはコミュニティの雰囲気に慣れることを優先しましょう。
今回もありがとうございました。