みなさん、こんにちは。
今回はすごいタイトルになっていますが、行き着くところは診断士のメンタルです。
野球のネタは話さないんじゃないの?
と思われた方、素晴らしいです。
その通りです。野球ネタは診断士の話にはあまり出てきません。しかし、それは他人との会話の話であって、プロ野球の贔屓のチームをもっている方はたくさんいます。
そこで、今回は中日ドラゴンズの事例を使い、診断士のメンタルとして教訓になることをご紹介します。また、特に中日ドラゴンズファンの方は、以前見た被害妄想癖の改善を試すいい機会です。
今回は中日ドラゴンズの話をします。ネガティブな話が出てきますが、これは決して中日ドラゴンズやそのファンの方を揶揄する意図はありません。そのことを先に述べさせていただきます。
それでは、よろしくお願いします。
中日ドラゴンズ
中日ドラゴンズは名古屋のプロ野球チームです。僕はTAC名古屋校で勉強していたので、受験仲間の多く、診断士仲間の半分くらいは名古屋の人です。そのため、たまに中日ドラゴンズの話になりますし、チケットをいただくこともあります。
僕は関西に住んでおきながら、実は球場に行った回数は中日ドラゴンズの本拠地のバンテリンドーム(ナゴヤドーム)が最多です。
話を中日ドラゴンズに戻しまして、バンテリンドームは12球団の本拠地の中で最もホームランが打てない球場です(2026年度からはホームランテラスが付くのでホームランを打ちやすくなります)。そして、そこを本拠地としている中日ドラゴンズも12球団で最も打線が弱いチームとなっています(客観的に様々な成績をもとに判断しています)。
2025年4月3日 巨人-中日戦
さて、そろそろ診断士のメンタルの教訓になる事例をご紹介しましょう。
楽天イーグルスやメジャーで大活躍をした田中将大投手(マー君)が今回の主役です。マー君は2025年度から読売ジャイアンツ(巨人)に移籍し、巨人での最初の登板がこの日の中日戦でした。
そして、この日の試合前の時点で、プロ野球の先発投手の1つの目標と言える200勝(日米通算の値です)まであと3勝の197勝となっていました。
しかし、マー君は明らかに衰えが見えており、2024年度では楽天で1勝もできず、そろそろ引退なのではと言われていました。
楽天をクビになり、巨人が拾ってくれる形になりました。また、巨人には小学生のときの少年野球チームで一緒だった坂本勇人選手がいます。マー君が巨人に入団した際、マスコミはこぞって坂本選手とのチームメイト秘話を取り上げていました。
マー君も、この試合は巨人での初登板となる試合なので、是が非でも勝ちたい試合でした。
そのため、巨人としては「坂本が打ってマー君に勝ち星を与える」という構図(サクセスストーリー)があります。そしてそれはそのまま、テレビや新聞などのマスコミ(名古屋ローカル以外)の思惑でもありました。視聴率や売上につながる「おいしいストーリー」を作れるのですから。
違う側面からも説明します。先ほども述べましたとおり、バンテリンドームは最も点が入りにくく、中日ドラゴンズは最も打線が弱いチームです。
そのため、相手のマー君からすると、いくら衰えているとは言え、バンテリンドームの中日戦なら点数を取られる可能性が最も低いということで、おそらくこの日の中日戦に投げさせたのだと思います。つまり、中日は巨人にナメられているのです。
それは中日側もわかっています。
しかし、中日はこういう「マスコミや相手球団が望んでいること」を叶えてしまう体質があります。心理学で言う「引き寄せの法則」というもので、中日の側からすると「こうなったらまずい」ということをことごとくやってしまうのです。
例えばこの試合なら、
- 坂本選手に点を取られてはいけない →あっさり先制点を取らせる
- マー君に抑えられたらいけない、勝ち星を与えたらいけない →5回1失点のナイスピッチングをさせ、見事に198勝目をプレゼント
- 1アウト満塁のチャンス。ここでゲッツーはダメ →あっさりゲッツーで攻撃終了
- 追加点を取った直後。ここでもう1点取りたい →あっさり凡退で攻撃終了

(ちなみに、これらの写真は当日の試合を観戦していた診断士仲間から提供していただきました)
まさに、中日は相手球団の巨人とマスコミの望む「坂本が打ってマー君に勝ち星を与える」という構図(サクセスストーリー)をあっさりと叶えてしまったのです。
当然、この日の夜のスポーツニュース、翌朝のスポーツ新聞は「マー君2年ぶりの勝利で198勝目。少年野球のチームメイトの坂本が2打点!まさにサクセスストーリー!」というテイストでした。わざわざ楽天をクビになってからの巨人入団の経緯やキャンプでのフォーム改造、坂本選手とのふれ合いなど、ここまでの苦労がわかる長尺の映像を用意してからこの試合の結果を伝えていました。


中日ドラゴンズはこの試合に限らず、お膳立てをよくしています。
「この相手打者は通算何百号のホームランがかかっているからここはホームランを打たれてはいけない」というシーンであっさりホームランを打たれ、テレビで記念のホームラン映像として中日の投手が打たれている映像がよく使われます。
このように、「こうなってはいけない」というのをことごとく引き寄せてしまうのが中日ドラゴンズです。
これは技術的な問題ではなく、メンタルや思考の問題です。しかもそれが最後に優勝争いをした2012年以降、現在まで長期的に染み付いているのです。なのでいくら良いコーチを連れてきても、メンタルや思考を改善しない限り、問題は改善しません。
僕も何回か観戦に行きましたが、例えば中日がノーアウト満塁のチャンスのとき、相手チームのファンや選手は「三振を取ってくれ、内野フライかゲッツーでいってくれ」と思います。一方、中日のファンや選手は「三振だったらどうしよう、内野フライかゲッツーだったら嫌だな」という思いがあるのです。つまり、球場全体が「三振、内野フライ、ゲッツー」という空気になり、その空気に中日の選手が押し潰れてしまいます。まさに球場の雰囲気が360度「これをやるな」の空気になり、その空気に押し潰されてしまうのが中日の選手です。
「こうなってはいけない」という場面で、変に意識して難しく考えてしまう。もしくは何も考えていないから相手の作戦の変更に気づかない。だからあっさりと相手の術中にハマってしまい、相手球団のファン(+場合によりマスコミ)や中日のアンチを喜ばせてしまうのです。
もちろん中日ドラゴンズが下位に沈んでいる理由は他にもありますが、今回は診断士のメンタルにつながる教訓として、今回出した理由を使わせていただきます。
診断士のメンタルへの教訓
お待たせしました。ここまで長々と野球の話をしてきましたが、ようやく本題です。
①ネガティブに考えない
先ほども申しましたとおり、「こうなってはいけない」などネガティブな心境で望んでしまうと、引き寄せの法則が発動して本当にそうなってしまいます。
「このプレゼンを失敗したら次はない」とか「社長に失礼があったらどうしよう」と考えてしまうと、本当にプレゼンが失敗しますし、社長への失礼があります。
そのため、ポジティブに楽しく考えていくことが重要です。リフレーミングによるポジティブ思考ですね。
よく例に挙げられるのが、コップに半分水が入っている場合に、「まだ半分ある」と捉えるのか「もう半分しかない」と捉えるか、ですね。どちらがいいかはわかりますよね。前者ですよね。ところが中日の選手は後者で考えてしまうのです。
中日の選手にも言えることですが、いくら技術(スキル)を向上させても、メンタルがダメならその技術(スキル)はうまく機能しません。「メンタルトレーニング」も必要になります。
②難しく考えない
ここぞという場面で難しく考えてしまうと、成果も出せません。また、少し劣勢になると余計に難しく考えてしまうこともあるでしょう。僕も実務補習で頭がパニックになってしまったときに、難しく考えてしまいました。
そうならないように、普段から知識のメンテナンスや実務の経験を積んでおくこと、メンタルを鍛えて精神的余裕をもてるようにすることなど、自分ができることを実践しましょう。
診断士なら三大態度(ポジティブ・楽しい・謙虚)と相手への敬意などをもっていれば、普通の診断士よりは活躍できます。その自信が精神的余裕をもたらします。
③変化に反応する
野球でも、ランナーが得点圏にいるケース(チャンスやピンチの場面)といないケースでは戦略が異なります。
診断士でも相手の状況が変化したときや仕事でトラブルが生じたときには、冷静に反応し、リスケをしたり作戦を立て直したりしましょう。ポイントは「短サイクルでの見直し」です。事例Ⅲの生産計画と同じです。
以上、今回は実際のプロ野球の事例を使って診断士のメンタルへの教訓を述べさせていただきました。
中日ドラゴンズの球団、ファンを揶揄しているつもりは全くないのですが、もしそのように感じてしまった方がいらっしゃいましたら、お詫びいたします。
今回もありがとうございました。