みなさん、こんにちは。
今回は「メディアリテラシー」について見ていきます。
みなさんもテレビ番組や新聞、ネットなどでニュースを見ると思います。その際に気をつけていただきたいことを見ていきます。
また、企業の情報を取り上げる場合も、普通に取り上げている分には構わないのですが、中には企業案件のようになっていて都合の悪いところを隠して事例を紹介する場合があるので、正しい見方をご自身なりに身につける必要があります。
それでは、今回もよろしくお願いします。
マスコミの記事は一方向
みなさんも何となくお察しのことかと思いますが、マスコミの記事は一方向です。偏向報道(印象操作)も平気でやってきます。
また、最近はステルスマーケティングのやり方も問題になっています。ニュース番組やバラエティ番組でも近年は明らかに企業案件的なものが増えましたね。僕も夜にニュース番組を見ていますが、ニュースよりも企業案件的なコーナーが多い番組もあります。
このような状況下なので、メディアリテラシーがないといつの間にかマスコミが誘導したい方向に飲み込まれてしまうことがあります。バラエティ番組で扱った商品が次の日になるとスーパーからすべて消えたり、「新聞やワイドショーでこう言ってたから」と思考停止状態になって誘導されたりすることが最たる例です。
逆にメディアリテラシーが身についていると、ニュースの見方も変わってきますし、ご自身なりの確固たる見解ももてるようになり、偏向報道(印象操作)や企業案件的な記事にも誘導されにくくなります。
活躍する診断士は偏向報道(印象操作)への対応策をご自身なりにもっています。だから診断士はニュースを冷静に見ることができ、先ほどのスーパーの例や「新聞やワイドショーでこう言ってたから」という例になることもほぼありません。
記事は結論・意見ありきで作る
これは僕も執筆の仕事をしているから実感しているのですが、マスコミのニュースや週刊誌・雑誌の記事はほとんどが「結論・自分の意見ありき」で作ります。その背景には「この方向に視聴者・読者を誘導したい」とか「スポンサーになってくれたこの企業(店)の商品・サービスの購買につなげたい」という思惑があります。
具体的なやり方としては、最初に結論や自分の意見を設定し、それに都合の良い根拠だけ並べ都合の悪い根拠は無視します。都合の良い根拠と悪い根拠の両面を等しく公平に扱うことはほぼありません。テレビでは放送法があり、意見が分かれるニュースに関してはできるだけ多様な観点から伝える義務があるのですが、「報道の自由」を盾に一切守られていない状態です。
企業の事例を紹介する場合も、相手の企業やテレビ局・新聞社に都合の悪いことなんて言いません。例えばマーケティング戦略が素晴らしい企業として取り上げているけど、実は社長がパワハラ体質で従業員がすぐ辞めてしまうということもあります。この場合、後者は全く取り上げません。悪いところを取り上げたらスポンサーになってくれませんし、「良いところだけ紹介する」という結論ありきだからです。
マスコミのこういうやり方は、一方的な供給だけで読者のニーズ(需要)を無視しているため、「一方向のコミュニケーション」になります。マスコミは「マス」と付くように「大衆」に向けたものですから、双方向は現実的ではありません。そのため、大衆のニーズ無視で一方的に結論ありきの記事を出します。
こういう仕組みやテレビ局・新聞社の政治的なスタンスを意識しておくことで、偏向報道(印象操作)に誘導されにくくなります。
都合の良いところだけを切り取る
これもよく見かけるものですが、テレビ局・新聞社のニュースは自社に都合の良いところだけを切り取って報道します。「都合の良いところ」とは、例えば相手にとって不利になる部分、刺激的なことを言っている部分などが該当します。
極端な話、99%は違うことを言っていても、1%だけがテレビ局や新聞社にとって都合の良いところなら、その1%部分のみを使います。99%の部分は見なかったこと、聞かなかったことにしてカットします。
都合の良いことだけを言っているとしたら、そのニュースは「都合の悪いことがあって、それを隠している」と思っておいたほうがいいです。
以前、「都合の良いところだけ切り取って攻撃するのは診断士としてNG」と述べたことがありますよね。文脈を無視して揚げ足を取れるフレーズや内容だけ拾って噛みついてくる人です。1つの表現だけ見てカッとなって「謝れ、発言を撤回しろ」なんて攻撃するのは診断士としてふさわしくありません。こういうことを視聴者や読者がするようにマスコミは巧みに仕掛けてきます。
ラクに記事を作るかが大事
マスコミの記者は「記事の質」よりも「いかにラクをして記事を作るか」を重視しています。
最近はネットで情報を集められるので取材もまともにしません。芸能人のテレビ番組での発言を文字起こししたような「こたつ記事」が典型例です。 こたつ記事は月に80本くらいがノルマだそうです。そうなると詳しい取材なんかやってられませんよね。
先ほどの「都合の良いものしか取り上げない」についても、そのほうがラクに作れるからです。都合の悪いものを紹介すると、その背景まで説明しないと内容的におかしくなります。そんな面倒なことをしていたらラクに作れません。なので自社にとって都合の悪いものは意図的にカットしているのです。
混乱した状況を好む
日経平均株価が大幅に下がるとニュースでよく取り上げられますよね。逆に同額だけ日経平均株価が上がってもニュースではほとんど取り上げません。
これはネガティブなニュースは視聴率につながる一方、ポジティブなニュースは視聴率につながらないからです。「人の不幸は蜜の味」という言葉もあるように、人間はネガティブなニュースを好みます。これは身の危険を察知する動物としての本能なので仕方ない面もあります。つまり、人間は防衛本能があるため、身の危険につながりそうなネガティブなニュースを気にしてしまう性質があります。この性質をマスコミは利用しています。
政治や経済、社会のニュースがネガティブなものばかりになるのも、ネガティブなニュースのほうが視聴者や読者の興味を惹きつけ、視聴率や売上につながるからです。テレビのニュース番組で企業案件以外ではハッピーなニュースなんて見ませんよね?
他にも特徴があるのですが、今回はこのあたりまでにしておきます。
今回もありがとうございました。