みなさん、こんにちは。
今年のパリーグは福岡ソフトバンクホークスがぶっちぎりで優勝したのですが、その優勝が決まる日に、地元の福岡では有名な方がSNSで相手球団(その日はオリックスバファローズで、京セラドーム大阪での開催でした)のファンを挑発するような投稿をして問題になりました。
KBC「アサデス。」出演者のSNS投稿を謝罪 オリックスに「リスペクトを欠いた表現」投稿は削除…番組のソフトバンク応援隊長・西田たかのりも謝罪(スポーツ報知) – Yahoo!ニュース
これは「強い球団のファンになっている=自分も強くなった」と思ってしまうかなり分かりやすい事例だと思います。
ということで、今回と次回はこのニュースについて見ていきます。
それでは、今回もよろしくお願いします。
何があったのか?
まず事実関係を確認すると、2026年9月17日にソフトバンクがオリックスを7-1で破り、3年連続のパ・リーグ優勝を決めました。しかもこの優勝は福岡移転後初の3連覇ということでした。
そして投稿した西田たかのり氏は翌18日、「優勝目前という状況で浮かれてしまい、相手チームへのリスペクトが欠けていた」と謝罪。KBCの「アサデス。」側も、番組出演者として相応しくない投稿だったとして謝罪しています。
「アサデス。」というのは、福岡ローカルの朝の超有名番組です。
そして、それは上記のとおりヤフーニュースにもなりました。
その中でコメントをしていた方の意見を引用させていただきます。
この人に象徴されるように、一部ファンに見られる、強いチームを応援していることとファン自身の価値を混同している態度には違和感がある。ソフトバンクが強いのは、選手や監督・コーチ、球団スタッフが努力して結果を出しているからであって、応援しているファンが偉いわけではない。チームが勝ったからといって、ファン自身の価値が上がるわけでもないのに、まるで自分まで強くなった、すごい人間になったかのように勘違いして、相手を見下す人がいるのは残念だと思う。好きなチームの勝利を自分のことのように喜ぶのはスポーツの醍醐味だが、その喜びが相手への優越感に変わってしまうのは違うと思う。応援する側としても少し考えさせられる出来事ではある。
まさにその通りだと思います。
なぜ上から目線になってしまうのか?
で、今回のテーマである「なぜ強い球団のファンは上から目線になりやすいのか」ということですが、僕は単純に「性格が悪いから」ではなく、いくつかの心理が重なっていると思っています。
①「勝っている自分」と「チームの強さ」が混ざる
これが一番大きいです。
本来なら
「ホークスが強い→ホークスという球団・選手がすごい」
なのに、熱心なファンになると、
「ホークスが強い→ホークスファンである自分も強い側にいる」
という感覚が生まれます。
これは球団に自分自身を重ねてしまうからです。
もちろん、ファンが試合に勝たせたわけではありません。
でもスポーツでは「俺たち」という言葉を普通に使っていますよね。「俺たちホークスが勝った」みたいに。
そういう感覚が強くなるほど、相手チームは「俺たちの敵」になっていき、「相手に勝った」から、「相手より俺たちのほうが上」に変わってしまうわけです。

②「勝っていること」がアイデンティティになる
これも重要です。
例えば毎年Bクラスの球団のファンだったら、「今年も弱いなあ(笑)」という自虐が成立します。
ところが常勝球団のファンは、「強い球団を応援している自分」そのものがアイデンティティの一部になりやすいです。
そのため、他球団が負けると「あそこ弱いな」ではなく、「あいつらは俺たちより下」という社会的な上下関係のような感覚に変わっていきやすいです。
これは野球に限らず、強豪校、強豪サッカークラブ、人気企業などでも起こる現象です。
③「勝ち慣れ」によって、勝利の価値が下がる
これも常勝球団ならではです。セリーグでも2000年代の落合政権の中日ドラゴンズがそうでした。
今回のホークスは3連覇で、NPB公式でも3年連続22度目のリーグ優勝とされています。
普通なら「リーグ優勝した!すげえ!」となるのですが、毎年優勝していると、「優勝するのは当然」になってきます。
すると、勝利そのものを喜ぶよりも、「勝てない相手を見下す」ことが娯楽になっていく人がいます。
これは結構危ないです。
「優勝できて嬉しい」なら健全だけど、「○○ファンざまあ」が快感になってしまうと、もう目的が「自分たちの喜び」から「他者より上に立つこと」や「上から目線で他球団ファンをバカにすること(煽ること)」に変わっています。

④「相手も同じくらい悔しい」という想像力が消える
今回の投稿の問題は、ここがかなり大きいと思っています。
実はこの西田たかのりという方は、「あれ?オリックスファンで賑わってない。」という投稿をしていました。
ここまではまだ観察として読めなくもないです。
しかし、その後の「そっか。23ゲームも離れてる首位との試合。」という文がまずかったのです。
これが入ることで、
「お前らはもう優勝争いから23ゲームも離されている側だよね」
というニュアンスが出てしまいます。
そして、「ホークスファンが目立ってる。」と続きました。
これってホークスファン側からすると、「ビジター球場にも関わらず首位チームのファンがたくさん来ているぞ!」という軽い冗談だった可能性はあります。実際、本人も翌日の謝罪で「浮かれてしまった」と説明しています。
この日は京セラドーム大阪での開催なので、福岡ソフトバンクホークスからするとビジターの試合でした。本来ならオリックスのファンが多く、ソフトバンクのファンは少ないのですが、この日は優勝が決まる試合ということで、ソフトバンクファンが多く観戦していました。
でもオリックスファン側から見ると、「お前らのチームは弱いからファンも球場に来ないんだろ」という侮辱に見えてしまいます。
ここには、「自分たちが勝っているとき、負けている側がどう感じているか」への想像力の欠如が問題として存在します。
⑤「ホーム」の感覚が強すぎる
先ほども述べたように、この日はオリックスの本拠地の京セラドーム大阪での試合でした。
そこにホークスファンが多く見えることを、「ホークスファンが目立っている」と喜んだわけですが、オリックスファンからすれば、「いや、ここ俺たちのホームなんだけど…」となります。
しかも、この日はホークスが7-1の大差で勝ち、優勝を決めました。
だから、
「相手の本拠地に乗り込んで、相手を大差で破って、そのまま優勝」
という状況になりました。
ホークス側にとっては最高の一日だったでしょう。
しかしオリックス側からすると、かなり悔しい一日ですよね。
そこに、「あれ?オリックスファンで賑わってない」と来てしまいました。
そりゃ炎上しますよね。

今回はここまでとします。
次回もこの続きを見ていきます。
今回もありがとうございました。