みなさん、こんにちは。
前回も見たように、診断士はチームで仕事をやることが多いですが、そうすると必然的にチームのリーダーもいることになります。
今回はそういうチームのリーダーに関する内容をお送りします。
それでは、今回もよろしくお願いします。
上司部下の関係ではない
診断士の仕事をチームでしていく上で最も意識しないといけないのが、上司部下の関係ではないことです。
リーダーは形式上のものであって、他のメンバーと実質的な立場は同じです。リーダーだから他のメンバーを批判したり支配したりする権限があるわけではありません。
確かにチーム内に先輩が入るパターンで先輩後輩の関係性はあります。しかしそれは「先輩後輩」であって、決して「上司部下」ではないのです。
ここで「上司部下」の関係性と錯覚してしまう方がいて、チームの他のメンバー(後輩)に対して強く言ったり、リーダーだからとマウントを取ったりすることがあります。そうなるとチーム全体の士気も悪影響を及ぼします。

特に、年配の人、会社で管理職に就いている人は上司部下の関係で見てしまいやすいです。日頃の会社のやり方をそのまま診断士のチームにも持ってきてしまうのです
リーダーが気をつけること
チームのリーダーになった方は、以下のことに気をつけましょう。これらができないとチームがギクシャクして作業の効率が下がります。逆に言うとこれらができるだけでチームのメンバーは満足し、スムーズに作業ができます。
①自分の都合を押し付けない
チームのメンバーの立場や意見は必ず尊重してください。リーダーの意見を押し付けるのはNGです。リーダー個人の都合は他のメンバーには関係ありません。他の人の意見に対しても「それもある」と尊重して受け入れましょう。

②仕事の計画を立てる
例えば仕事の流れ、目的、最終的な完成形、全体像と各論、スモールステップでの各段階の内容、各段階のゴールイメージと納期を提示していきます。
また、メンバーごとにいつまでに何をするかを伝えることも必要です。
そして、意外と重要なのがゴールイメージです。ゴールイメージをこまめに設定し、チームのメンバーに伝えチーム内で共有していきます。

③仕事の管理をきちんと行う
例えば作業の進め方や段取り、スケジュールを共有していき、遅れそうな人がいたら進捗を確認しましょう。
運営管理(生産管理)や事例Ⅲでやった生産統制ですね。「進捗管理、現品管理、余力管理」です。

作業のペースが遅れたら、リーダーはメンバーを信じて待つことも重要です
しかし、締切後に慌てて担当の人に「あれどうしました?」と確認したり「早く提出してください」と催促したりするのはダメです。締切に間に合わない雰囲気があったら締切の数日前にきちんと確認して催促をする必要があります。これをせず締切を過ぎて「間に合わなかったあいつが悪い」と言ってもそれは確認や催促をしなかったリーダーの責任です。

④責任はリーダーが負う
失敗やトラブルの責任はリーダーが全面的に負うことをメンバーに宣言し、メンバーのせいにしないことが重要です。最悪なのは、失敗やトラブルの責任を他のメンバーとに負わせてしまうことです。
もちろん、メンバーのミスもリーダーの責任です。「この部分はあいつの担当だからあいつのせい」にはなりません。責任が他の人より多くなるからこそリーダーなのです。

⑤チームの士気、各メンバーのモチベーションを上げる
2次試験の事例Ⅰではありませんが、チームの士気や各メンバーのモチベーションは作業の効率性に大きく影響します。そのため、例えばほめてモチベーションを上げることが重要になります。
なお、特定の人だけほめて、特定の人は冷遇するようなことはNGです。これをやるとメンバーからの信用を失います。全員を公平に扱いましょう。

怒りや脅しでメンバーを支配するのはNGです

⑥ダメ出しありきの批判・否定はしない
チームでの作業となると、リーダー確認があると思います。そこで指摘することもあると思います。その場合は、「こうしたほうがいい」など代替案や改善策を示してください。ダメ出しだけして代替案や改善策を出さないのはチームの士気や相手のモチベーションを下げることにつながります。
また、後から「あの時言えなかったけど」とか「あの時思っていたけど」と付けてダメ出しするのはNGです。これをやるとチームのメンバーは今後、常に「何か後で言われるかも」と警戒してしまい、リーダーへの安心感や心理的安全性、信頼(信用)をなくします。

この「安心感・心理的安全性・信頼(信用)」については、「接して与える3要素」というもので、診断士のコミュニケーションにとって重要な要素になります。こちらについては今後改めて記事にする予定です。
⑦各メンバーに感謝する
やってくれたことにはこまめに感謝の気持ちと労をねぎらう気持ちを表しましょう。いくらチームでの作業とは言っても、「やってもらって当然」ではありません。こう思ってしまうとリーダーとして謙虚さがなくなっている証拠です。
これはチームのリーダーだけでなく上司の方にも言えることですが、組織やコミュニティの中で目立つ存在になればなるほど、感謝や相手の労をねぎらう気持ち、謙虚さを備えていることが重要視されます。感謝や相手の労をねぎらう気持ちがある人は謙虚さが滲み出てきますので、人望があり、目立っても出しゃばりにはなりません。

以上、今回はチームでの作業をする場合にリーダーになった方へのメッセージをお送りいたしました。
今回もありがとうございました。