みなさん、こんにちは。
今回は「タテの意識で見ない」という内容を見ていきます。
それでは、よろしくお願いします。
タテの意識とは
タテの意識の典型が偏差値や点数です。他にも順位、年収、善悪など、優劣がつくものはすべてタテの意識の範囲になります。
日本人は子供の頃からテストの点数で評価され、常に「点数や順位の高い人が正義」という環境で育ってきました。そして、高校や大学も偏差値で判断されています。
そのため、日本人は至る所でタテの意識が会話や思考に入ってきます。テレビ番組でランキング形式のものが多いのも、視聴者(日本人)にタテの意識が強いことの表れです。
他にも例えば「あの家の息子さんは○○大学を出ているから優秀」とか、「それに比べてウチの子供はアホ大学だから、やることなすことすべてだらしない」など、ハロー効果全開の解釈って聞いたことありませんか?
田舎だと近所の人どうしの話でよく出てきますが、都会でもママ友どうしでそんな話があったりしますよね。
こういう会話もまさに「タテの意識」の典型です。
タテの意識で見ない
こういうタテの意識は、中小企業診断士になった段階で徐々に減らしていってほしいです。
例えば、「あいつは偏差値がこのくらいの大学だから俺のほうが優秀だ」など人を偏差値で判断することや、「あいつはあんな仕事をしているようだからバカだ」など人を仕事の業種で判断することはやめていきましょう。
こういうタテの意識で相手を見ていく(レッテル貼りをすること)は、相手への敬意などや謙虚さがないのはもちろん、「ポジティブ・楽しい」も満たしていません。
迷惑行為をしている人やイカつい格好の人に対して「あいつはバカだから」とか「見た瞬間、バカだと思った」とか「そういうバカなんだろう」などと思っていませんか?そういうのが出てくるのもタテの意識で判断していることになります。
「中小企業は劣」と考えていたら・・・
もしかすると、診断士のみなさんの中にも「大企業は優れ、中小企業は劣っている」という価値観がある方もいらっしゃるかもしれません。これこそタテの意識全開の見方です。特にご自身が大企業勤務だと尚更でしょう。実際、僕の知り合いの診断士も自身が大企業勤務であることを自慢してくることがあります。
しかし、それって「中小企業」診断士としてはおかしいですよね。
だって、中小企業を救うことが仕事なのに、当の本人は中小企業のことをバカにしているのですから。
医者が患者のことをバカにするようなもので、倫理的にもおかしなことです。「改善すればいいんでしょ?治せばいいんでしょ?」という意識では「患者」である中小企業(の社長や従業員)はついてきません。
先ほどの自慢してきた人で言うなら「大企業に勤めている俺カッコいい。そんな俺が中小企業の相手をしてやるからよ」なんて態度でしたら、相手の社長や従業員と喧嘩になるのは間違いありません。
実際、僕もコンサル先で「中小企業をバカにしたような発言をされたことがある」と社長から聞いたことがあります。その社長が言うには「御社のような中小企業を救ってあげたいです」というフレーズをよく言われることが多く、この「あげたい」が上から目線になって不快だということです。
診断士としての職業倫理は、現状分析力や改善策作成力などの診断士としてのスキルより優先されます。いくらスキルがあっても、倫理的におかしい人は診断士以前に「人として」信用されません。顧客にはもちろん、他の診断士にも信用されないので、人脈・ネットワークが崩壊し、仕事も得られなくなります。
診断士ならヨコの意識を優先する
タテの意識の反対は「ヨコの意識」です。これは「仲間」と思うことです。
以前、中小企業診断士になることによるメリットを見ていきました。中小企業診断士になって自信がついた、自己肯定感が高まった、メンタルが向上したことを機に、「ヨコの意識=仲間」で他人を見ていくようになれます。
そして、診断士の人脈・ネットワークはまさにヨコの意識の典型です。

また、タテの意識と違って相手をバカにすることもないので、倫理的な問題が起こることもありません。
中小企業診断士になった段階で徐々にタテの意識を減らし、ヨコの意識を増やしていきましょう。そのためには、すべての人を尊重し、労をねぎらい、「仲間」と思えるようにすることが必要です。
みんなヨコの意識で見ていく
もちろん、ヨコの意識で見ていくことは診断士どうしだけではありません。見知らぬ人、知り合いの嫌な人、どうしようもない人、大きく価値観が合わない人、タテの意識ならバカにしていた人に対しても「ヨコの意識」をもって「仲間」と捉えていく必要があります。
例えば会社の上司も(地位の高低はありますが)仕事仲間であることには変わりありません。なので「ヨコの意識」で見ていくことになります。
そんなこと、本当にできるのかって?それはヨコの意識の具体的な見方を理解し、トレーニングを積んでいけばできるようになります。
ですが、それは次回のお楽しみ。今回はここまでです。
次回はヨコの意識で見ていくトレーニングをしていきます。
今回もありがとうございました。