みなさん、こんにちは。
今回はほめることの留意点の1つである、「ほめっぱなしの罪」について見ていきます。
それでは、よろしくお願いします。
ほめっぱなしの罪とは?
ほめっぱなしの罪とは、ほめた後に相手が調子に乗って暴走してしまうことを言います。「罪」とありますがもちろん犯罪ではないのでご安心ください(笑)
例えばほめたのはいいけど、相手が増長して急に上から目線になったり、暴走をして間違った積極性を出したりすることって見たことがあると思います。これがほめっぱなしの罪です。
ほめっぱなしの罪を防ぐためには、ほめた側、ほめられた側のそれぞれにポイントがあります。
ほめた側のポイント
ほめると相手のモチベーションは上がります。積極的に取り組む、相手のメンタルが改善するなど、効果はたくさんあります。ほめることの効果については以前見ていきましたよね。そのため、ほめること自体は悪いことではありません。
しかし、問題はそこから先です。ほめっぱなしの罪は、上司や先輩として部下や後輩を指導しないといけない場面で出てきます。指導をする方にはぜひ知っておいていただきたい内容です。
ほめたところで図に乗らせるのではなく、次の課題の克服に向かうように(但し相手をコントロールするわけではなく)アドバイスやフォローをする必要があります。「次はこれに挑戦してみよう!」とか「お前ならできる!」など、期待を込めて肯定的に応援することが重要です。
また、一律ではなく相手に合わせた新たなステップを用意する必要があります。診断士ではお馴染みの「個別対応」ですね。個別対応をしてくれると相手は「自分だからこそのプランなんだ」と思ってモチベーションが高まります。
成功したときの「ほめっぱなし」は慢心を生み、成長を止めます。一方、成功を喜ぶ中に振り返りを組み込めば、さらなる壁を越える力になります。「ほめる」とは、成功をさらに加速させるためのものでもあるのです。
なお、指導する立場ではない場合は、ほめっぱなしでも問題ありません。どんどんほめてOKです。
ほめられた側のポイント
ほめられた側もほめっぱなしの罪を意識していただけたらと思います。ほめられること自体は全く問題ありません。その方の実力や人となりがほめられたのですから、喜んでいいことですし、モチベーションを上げていいことです。
まずいのは、ほめられたからと言って増長して周囲に自慢したり勝手な行為をしたりすることです。
僕も仕事で先方からメールですごくほめられたことがあります。しかし、実はそのメールの文章は、仕事の具体的な中身こそ変えていますが、他の人にも送っている内容でした。これは他の人がドヤ顔でFacebookメッセンジャーにそのメールの内容を転載したことで判明しました。
相手からするとほめていることは間違いないのですが、いちいちコメントを1から作るのは面倒なので、事前にある程度の「ほめる用の定型文」を用意しているのだと思います。仕事なら謝罪や感謝の文など、ある程度の定型文は用意していますので、今回のメールもその1つだったと思われます。
さて、先ほど「他の人がドヤ顔でFacebookメッセンジャーにそのメールの内容を転載した」と述べましたが、まずい対応はこれです。この人はドヤ顔で自慢したいために、ほめられたメールの内容を僕に送ってきて、挙げ句の果てにはドヤ顔で「今後、私のやり方を参考にしていただけたらと思います」と言ってきたのです。また、僕がちょっとミスをした際に「私に比べたらあなたはできていない。先方から苦情が来ているから以後気をつけるように」というニュアンスのメッセージも送ってきました。
ここまでの流れを見ていただけたら、もうお分かりですよね。ドヤ顔で自慢してきた方は、まさかほめられたメールが定型文であって実はその文章は他の人にも送られていることを知らずに増長してしまったのです。それで「今後は私のやり方を参考にしろ」とか「私に比べたらあなたはできていない」とドヤ顔で言ってきても、虚しいだけですし、勘違いも甚だしいレベルですよね。
これこそまさに「ほめっぱなしの罪」の典型例です。ほめられたときこそ、周囲に自慢をするのではなく、ほめてくれた相手や他の人への敬意や感謝の気持ち、謙虚さを忘れずに行動していただけたらと思います。謙虚さは活躍する診断士の三大態度でもありますからね。
ほめられたときに「恐縮です」と返して相手に感謝の気持ちを伝える人と、ドヤ顔で自慢してくる人では、相手の印象は正反対になります。
《今日のほめフレーズ》
恐縮です
今回のほめフレーズの「恐縮です」は、謙虚な人が出すフレーズというよりも、謙虚さを身につけたい人が手っ取り早く謙虚さを示せえるフレーズと言ったほうがいいかもしれません。でも、ぜひ身につけていただけたらと思います。はい、僕も含めてですけど(笑)
それでは、今回もありがとうございました。