みなさん、こんにちは。
今回は意外なスキルを見ていきます。もしかすると、ほめることにブレーキがかかってしまうかもしれませんが、消極的になれという意味ではないことを、先にお伝えしておこうと思います。
それでは、ここから詳しく見ていきましょう。
今回もよろしくお願いします。
ほめフレーズは薬ではあるが・・・
ほめ達なら、相手の話を聴くことや感謝の気持ち・挨拶のフレーズをきちんと言うこともあるけど、やはり「すごい、さすが、すばらしい」などのほめフレーズやほめ構文を使うものだろうというイメージがあると思います。
基本的に、このようなほめフレーズを使うと相手にとっては良い薬になります。モチベーションが上がる、積極性が高まる、能力が上がる、安心感を得られるなど、効果はたくさんありますよね。
しかし、ほめフレーズは連発すると場合によっては毒薬になってしまいます。
普通の薬もそうですよね。普通に飲む分には身体に良い働きをしてくれますが、用法・用量をきちんと守って飲まないと毒薬になってかえって身体を壊してしまいます。
特にそれを意識したほうがいいのが、初対面の相手に対してほめるときです。
初対面の相手に対して
初対面の相手に対しては、聴くことを重視して安心感と信頼を得たほうがいいことを前に述べたと思います。
でも、もちろんほめることはあります。
だからと言って、「いやぁ、感じの良さが出ていますよね。これは持って生まれたように感じていますし、ご両親の育て方が良かったのでしょう。学生時代にも良い恩師や仲間に恵まれたのでしょうね。本当に素晴らしいです」なんて言ったら、怪しい講座でも押し売りされるのではないかって警戒しますよね。
ほめることは、相手の警戒を招いてしまっては意味がありません。それだとただの自己満足になってしまいます。
逆に、もう何年もの付き合いになっていて、信頼できる人からこのように言われたら、心に染みるほど嬉しいと思います。ほめることは、相手の状況によって受け取り方が変わってくるものです。
ほめられ慣れていない人に対して
何年もの付き合いになっている場合でも、ほめられ慣れていない人や自分に自信のない人(自分自身にコンプレックスのある人)を相手に上記のようなほめ方をすると、「私ってそんな人じゃないよ・・・」と複雑な気分になってしまいます。
相手との心理的距離を意識する
初対面の人やほめられ慣れていない人、自分に自信のない人を相手にする場合は、ほめフレーズは連発せず、1〜2個くらいにしましょう。
「ほめる」の最上級の表現として「ほめちぎる」というものがありますが、これは初対面の人や自分に自信のない人に上記のようなほめ方をしてガツガツいくようなものではありません。
キャッチボールでも、相手がまだ1球しか返せない状況なのに3球も5球も放ったら相手はパニックになり消化不良になってしまいます。
ほめ達には、相手の立場と状況による心理的距離感を意識して、柔軟にほめ方を変えていくことが求められます。相手がまだ1球しか返せない状況なら1球を放る、3球返せるなら3球放る、5球返せるようになったら5球放ることが求められます。
また、先ほども述べましたが、初対面の人やほめられ慣れていない人、自分に自信のない人を相手にする場合は、こちらがほめることよりも、相手の話を聴くことを重視したほうがいいです。
以前、相手の好きなこと、こだわり(大切にしていること)、継続していることに話をもっていくと、相手は「自分が大切にしている価値観を共感してくれた」と思い、相手の評価が一気に上がりやすくなる、ということを見ていきました。価値観の根本にあるものを共感すると、相手は一気に信頼してくれます。これをまずは目指していきましょう。
ただし、相手の話を一気に聴こうとすると、こちらも疲れますし、相手も疲れてしまいます。
何回かに分けて聴いていき、そのたびに共感し、ほめていくことで、相手はスモールステップで自分自身のすべてを認めてくれた、ほめてくれたと思い、無理なく信頼をして評価を上げることができます。
ほめることの誤解
一般的な「ほめる」を扱った本やセミナーは、上記のようなほめ方を理想として内容を書いているため、初対面の人や自分に自信のない人に対してもガツガツとほめにいかないといけないと勘違いされてしまい、ほめられた相手からすると違和感が出て胡散臭く見えてしまうのです。こうなるとかえって相手の印象を悪くしてしまう可能性もあります。
これが、ほめ達がぶつかる壁の1つでもあります。
《今日のほめフレーズ》
知らなかった
今回は心理的距離感を意識することについて見ていきました。相手のことを考えずにほめフレーズを連発することや、無理にほめてしまうことは、ほめ達がぶつかる壁の1つでもありますので、相手に応じてほめる量や質を柔軟に変えていくことが求められます。
今回もありがとうございました。