みなさん、こんにちは。
今回は鉄道ネタとしてドクターイエローを取り上げます。
ドクターイエローは有名なので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それでは、今回もよろしくお願いします。
ドクターイエローとは
ドクターイエローは、東海道・山陽新幹線の線路の歪みや電気設備を点検する検査専用の車両です。
10日に1回しか走らないことに加えダイヤも非公開のため、めったに出会えないことから「見ると幸せになる」と言われています。
元々、JR東海とJR西日本がそれぞれ1編成ずつ所有していましたが、車両の老朽化を理由にJR東海所有の編成は引退し、2025年の段階ではJR西日本所有の1編成のみとなっています。ただ、その編成も近いうちに引退予定となっています。今後は既存の営業車両(普通の新幹線の車両)にドクターイエローのような機能をもたせるそうで、今のような専用の車両はなくなります。
ちなみに、JR東海所有の編成が引退した現在も、ドクターイエローの運行区間は東京から博多の東海道・山陽新幹線の全区間となっています。
鉄オタ的には大興奮
珍しい車両であるため、鉄道ファンはドクターイエローに遭遇するとほぼ間違いなく興奮します。僕のように写真撮影をするでしょう。

また、ドクターイエローのダイヤは公開されていませんが、鉄道ファンだとSNSから目撃情報を仕入れることがあり、ドクターイエローを狙って見に行く人もいます。
特に黄色い花(菜の花)と黄色いドクターイエローが入った写真を撮影しようと、定番の撮影スポットには多くの鉄道ファンが訪れています。
マーケティング的には収益源
Amazonで「ドクターイエロー」と検索してみてください。おもちゃ、鉄道模型、ブルーレイ(DVD)はもちろん、Tシャツや靴下などのアパレル製品、箸やフォークなどの日用品もあり、様々な商品展開をしています。
ドクターイエローは戦略論的には金のなる木です。マーケティング的にも次々と新商品を出せば売れるので、収益の柱になっています。
ドクターイエローの商品はJRが出しているものではなく、外部の企業がコラボしたものが多いです。商標の通常実施権ですね。
例えば駅弁でもドクターイエローとコラボして黄色の容器の駅弁を販売したりしています(写真は淡路屋のひっぱりだこ飯がドクターイエローとコラボしたものです)。

通常実施権なので、JRはライセンス収入を得ることができます。独占ではないので様々な企業とライセンス契約を結ぶことができます。
コラボ相手の企業は知名度のあるドクターイエローを使うことで企業や商品の認知をしてもらうことができ、新規顧客の獲得ができます。特に中小企業は知名度がなく普通にやると顧客に認知されませんから、ドクターイエローで知名度を補うことは戦略としてアリですよね。
このあたりは診断士なら定番ですね。事例Ⅱの王道知識です
ちなみに、淡路屋はTACの2次の演習問題でモデル企業として使われたことがあります。僕は与件文の設定を見て「あれ?これって淡路屋じゃね?」と気づきました。
現場としては・・・
ドクターイエローは上記のような「見ると幸せになる」という噂や、珍しい車両であること、表向きにはダイヤが公表されていないことから、駅に現れるとドクターイエローの写真を撮影しようと多くの人が殺到してしまいます。
ドクターイエローは乗車ができないので、ホームドアのある駅ではホームドアは開きません。しかし、柵から手を伸ばして車両を触ろうとする人もいて、発車の妨げになっています。また、撮影をめぐって乗客どうしのトラブルにつながる恐れもあります(こちらの動画が参考になると思います)。
また、ホームドアがない駅だと手を伸ばして車両を触ろうとする人に加え、ドクターイエローの撮影でホームに人が溢れ、さらなる発車の妨げになっています。
安全に発車できないとダイヤの遅れを招くことになり、後続の新幹線にも影響が出てしまいます。
そのため、JRとしては「ドクターイエローの定時運行の邪魔をしないでくれ」が本音です。
上記の動画にあるような「撮り鉄」には、撮影はしてもいいけど定時運行の邪魔はするな、と主張することもできるでしょう。
しかし、面倒なのは子連れの方です。ドクターイエローにはおもちゃやアパレルなど様々なグッズがあり、多くの子供が興味を示しています。そのため、土日だとホームに子連れの客が殺到して定時運行の妨げになっています。
でもまさか子供相手に「定時運行の邪魔になるから子供は引っ込んでいろ」なんて言えませんよね。そんなことを言ったら問題になり、JRのブランドや企業イメージに傷がついてしまいます。
そうなんです。
ドクターイエローはマーケティング的には儲かるもの(企業経営理論で言うなら金のなる木)なのですが、現場からすると厄介者なのです。
マーケティング的には収益源、でも現場的には厄介ということで、折衷案としてドクターイエローは老朽化を理由に引退。でも「ドクターイエロー」のブランドと商標は残してライセンス収入は今後も得ていく。これがJRの戦略だと思います。
今回はドクターイエローについて、診断士目線で見ていきました。
今回もありがとうございました。