みなさん、こんにちは。
今回は僕の事業のドメインを定めることで独自の事業領域を確立する話をしていきます。
それでは、今回もよろしくお願いします。
今回のサムネ画像はJR四国の看板特急車両の8000系にしてみました。これも事業のドメインがあって、岡山・高松~松山の看板路線をなるべく早く結ぶことを目標に、時速160km走行を想定していました。
ドメインを定める
診断士として大きな報酬の仕事を得るには、どの分野(ドメイン)で事業を展開するかを戦略的に決める必要があります。
他の診断士や他の士業とは違う独自のドメインを定義していくのです。
さて、ドメインには物理的定義と機能的定義がありましたね。
中小企業診断士なら、
物理的定義:中小企業診断士派遣業
機能的定義:講師業、伴走支援業務、コンサルティング業
などでしょうか。
僕は取材の学校をきっかけにして執筆の仕事もしています。
そのため、執筆の仕事についてなら、物理的定義が執筆業、機能的定義が中小企業支援記事作成業、というところでしょうか。
そして、曖昧な物理的定義よりも、具体的な機能的定義のほうでいったほうがいいということでしたね。
そりゃ「中小企業診断士派遣業」よりも「講師業」とか「コンサルティング業」のほうがイメージしやすいですからね。
エーベルの3次元定義
まだまだ具体化していきますよ。今度は企業経営理論の機能的定義のところで習ったエーベルの3次元定義です。機能的定義の内容ですね。
1.    誰にサービスを提供したいですか?(顧客層)
2.    その人たちは何に困っていますか?(ニーズ)
3.    あなたはどんな強み・方法で応えられますか?(手段)
前回の記事でもあったように、この3つを定義していきます。
顧客層(誰に)
狙うべきクライアントは、自分がターゲットとする業種、エリア、規模、経営テーマなどで明確に絞り込む必要があります。
ほめ達認定講師によるほめる組織文化提供講師、人事コンサルティング業なら、中小企業の経営者や従業員になります。
ただ、それだけだと範囲が広いので、
組織文化を元気なものに変えたい中小企業の経営者と従業員
として範囲を絞ったほうがいいですよね。どちらかと言うと、ブラック企業や組織文化が悪い企業よりも、組織文化が普通の会社が対象になると思います。
顧客に関連する情報も集めておきましょう。
・顧客の問題、要望は何か
・現状とあるべき姿はどうか
・顧客は何を基準に自分を選んでいるのか
・顧客は自分をどのように評価しているか
・顧客はどうすると満足度や関係性強化につながるか
これらを押さえておくことで、顧客獲得の可能性が一気に高まります。
機能(何を)
製品やサービスが満たすべき顧客ニーズ、そのターゲットが望む価値は何かを考えていきます。
例えば講師業ならどういう講師でしょうか?
コンサルティングなら何のコンサルティングでしょうか?
執筆ならどういう記事の執筆でしょうか?
そのようなものをここでは定義していきます。
僕ならほめ達認定講師によるほめる組織文化提供講師、人事・組織コンサルティング業、売上向上コンサルティング業でしょうかね。
ほめ達認定講師によるほめる組織文化提供講師、人事コンサルティング業なら、ほめることを通じて組織文化の変革や営業、マーケティングの問題を解消することが該当します。
選択と集中を図る
やることは選択と集中を図ったほうがいいです。「何でもできます」では顧客から選ばれません。
顧客から選ばれるためには「これはお任せください」というのが必要です。例えば「コンサルティング」だけだと全体的なものを指して抽象的で曖昧なものになりやすいですが、「組織文化のコンサルティング」ならやることを絞り込んでいて具体的なものになります。
絞り込んで、それを適切に発信(アピール)することで、高付加価値化・差別化ができ、自分のサービスの価格が高くても顧客から喜んで選んでくれるようになり、価格競争から抜け出せます。営業や販促も効率的になります。協力者や仕事(口コミによる紹介)も集まりやすくなります。
「誰に」と「何を」は取っ掛かりとしてそれぞれ1つに絞ったほうがいいです。「あの層もこの層も対象です」とか「あれもこれもそれもできます」では、この人は誰に向けたサービスを提供していて何が得意なのかわからないということになり、強みや売りがうまく伝わりません。
技術(どのように)
製品やサービスをどのような技術によって実現するのか、技術の面から取り組む事業範囲を考えていきます。
zoom対応とか、3時間5万円とか、月に1日好きな日時を選んで利用できるなどですね。
ここは上記にある機能的定義の内容が出てきます。つまり僕なら
・ほめる組織文化提供講師
・人事組織コンサルティング業(伴奏支援業)
・売上向上コンサルティング業(伴奏支援業)
・中小企業診断士受験講師
・中小企業白書概要、中小企業改善事例提供サービス業
・中小企業支援記事作成業
でしょうかね。
ほめ達認定講師や受験予備校講師の経歴を活かすことで、講師として相手の企業でセミナーを開くこともできます。
よくあるのが「講師業をやりたいです、コーチングをやりたいです」などの意見ですが、これは「どのように」の部分しか決めていないことになります。自分のもっている知識やスキルを「講師・コーチング」の形で提供しているわけですからね。
しかし、「誰に、何を」の部分も決めないとビジネスモデルとして成立しません。
ついでなので、こちらも設定しておきましょう。これでマーケティング戦略でお馴染みの「誰に、何を、どのように、効果」が揃います。
効果
効果として、その商品やサービスを提供することで顧客にもたらされるメリットや便益に注目してみましょう。ドメインがさらに具体的になりますよ。
と言っても、難しく考える必要はありません。要は変化後の内容を考えればいいのです。つまり、診断士の2次試験風に言うなら、変化前の内容は「問題点」、変化後の内容は「効果」に該当します。
そして、どう変化するかをハッキリと想定できているほど有利です。「積極的な組織文化に変わる」など、相手がワクワクする言い方がコツです(後日、「情緒的価値」を見ていきますが、それにつながっています)。
また、「離職率60%低下」など定量的なデータもあると説得力が一気に高まります。
顧客がお金を払う意味
よく新入社員向けに「我々はお客様からお金をいただいている。だからこそプロであるべき」などと教育していますよね。診断士はそこまでシビアに捉える必要はありませんが、当事者意識・責任者意識は必要になります。
メンタルが弱い人、HSPの人(いわゆる繊細さん)は、「お金をいただいている」ということは意識しなくても大丈夫です。こういう人はそれを意識してしまうと重く考えすぎて空回りしてしまいますし、プレッシャーにもなってしまいます。もう十分に当事者意識・責任者意識をもって頑張っていますので、そのままやっていけば大丈夫です。
そして、顧客はあなたのサービスを利用したいからお金を払うのではなく、問題点の改善、課題の解決のためにお金を払うのです。改善・解決した後の姿が顧客の要望なので、それを叶えなければサービスの意味はありません。
逆に言えば、要望を叶えてくれるから顧客は高くてもお金を出すのです。顧客は自分の「困ったこと」を確実に解決してくれるところを選びます。そして、解決してくれるなら高くてもお金を払います。
そのため、顧客に「自分のニーズを満たしてくれる」と思わせることが重要です。
つまり、ドメインを考える際は相手の役に立てる商品・サービスであるかどうかが大事になります。いくら内容が良くても相手の役に立たないものなら自己満で終わってしまい、受注は得られませんし、他人からの紹介もありません。
「これは商品化・サービス化できないか?」という意識を働かせることを習慣化することで、どんどん商品やサービス(何を)、提供方法(どのように)が出てきます。
以前、ブルーオーシャンのことをやりましたね。自分はできて、相手のニーズもあって、競合にはできないことが、ブルーオーシャンになるので、ぜひブルーオーシャンを目指しましょう。
今回はここまでにしておきます。
次回はこちらの続きになります。どんどんドメインが強化されていきますよ。
それでは、今回もありがとうございました。