みなさん、こんにちは。
今回は、BRTやバスへの転換はせず鉄道で復旧させるための具体的な内容を見ていきます。
前回も見ましたが、中小の鉄道会社も中小企業と同様に差別化ができなければ生き残ることはできません。自然災害で被災したらその時点で終わりです。
差別化ができれば黒字化もできます。そして、その差別化のカギを握るものを今回は見ていきます。
それでは、今回もよろしくお願いします。
ありとあらゆる縁を使う
このやり方をしている中小鉄道会社で最も有名なのが千葉県の銚子電鉄ですね。銚子電鉄がうまくいっている理由がこれです。もちろん、銚子電鉄は差別化ができています。
銚子電鉄の社長にインタビューをしたことがあるのですが、使える縁は何でも使うと言っていました。直接的な縁でなくても、知り合いの紹介とか、たまたま境遇が同じで問い合わせたら縁ができた、ということもあります。
知り合いの縁を活用することは、全く知らない人に頼るよりはるかに有用です。
このおかげで銚子電鉄は様々な企業や団体、自治体との協業をしています。

ステップ全体を踏まえた取り組み
前回も述べましたが、あれもこれも無計画にやっても自己満足や空振りに終わるだけです。長期的な視点をもって、ステップ全体が見えているイメージで計画的に行う必要があります。
銚子電鉄はそれが得意で、毎月のように新しい取り組みを行っています。これは、ありとあらゆる縁を使っているからこそできることです。
一見すると無計画に飛びついているように思えるのですが、例えば協業相手の競合企業と手を組むことはありませんし、銚子電鉄の社員を大勢充てないといけないような取り組みはしていません。
「そろそろこの取り組みは飽きられてきている。ではこちらはここまでにして、今度は協業であの取り組みをしてみよう」と、弱くなったところを埋めるような取り組みを計画的に行っているからこそ、「銚子電鉄は毎月のように新しいことをしている」と思われながらも知名度やブランド、売上を確実に上げていくことができています。
関係性構築が重要
次は鉄道会社以外に目を向けます。
以前も述べましたが、沿線の住民(地元の人)、自治体、企業を巻き込まないと、鉄道会社単独では赤字のままです。自然災害で被災した段階で長期間の不通、もしくは廃線でのバス(BRT)代行となるでしょう。
鉄路の維持はまちづくりの一環でもありますが、この成功の鍵は地元自治体との関係性構築です。
自然災害があったとき、国や地元自治体からの補助があります。そのとき、地元自治体と鉄道会社で信頼関係をしっかり構築できているほどスムーズにできます。つまり復旧までの期間が短くなります。
逆に言うと、地元自治体との信頼関係を構築しておかないと、自然災害があったときに復旧はできません。
自治体は上から目線になりやすいため、中小の鉄道会社の社員や地元の住民は謙虚な対応が必要になります。
地方のJR線の場合は?
以前も述べましたが、地方のJRの赤字路線だと自然災害の被災で廃線になりやすいです。
そして、JRが「あり方の議論」を求めてきた場合は、鉄道の廃止が本音です。そのような「あり方の議論」の提案を受けないためには、赤字の脱却や大手鉄道会社との信頼関係を構築しておく必要があります。
大手鉄道会社は基本的に上から目線で、儲かるかどうかしか考えていません。なので、地域の自治体や住民は下から目線の謙虚な姿勢で大手鉄道会社との関係性を構築していく必要があります。

地元の人の主体的な協力を得る
前回も見た内容ですね。嫌々では意味がありません。自分から協力してくれるようにしていく必要があります。
「この土地にずっと住み続けたい、この土地が好き」と思っているような人なら、地域の鉄道路線への愛着があるため、主体的に協力してくれます。
そのように思ってもらうためには、例えば鉄道会社が地域のイベントに出るとか、地域の人との勉強会とか、地域外の人へのアピール(イベント、ツアーなど)などが必要です。
こうすることで、自然災害があって不通になった場合でも、地域の人の鉄道に対する思いを形にする(署名、イベントなど)ことができますし、風化を防ぐことができます。
また、銚子電鉄が行っているように、地元の学校や学生との連携、地元自治体との連携、著名人(他社社長、鉄道系YouTuberなど)とのコラボもいいですね。
あと、ちょっとしたイベントでもいいです。駅の清掃活動でもいいですし、駅の空いているスペースでお茶会をやるのもいいです。
原価管理を厳密に行う
鉄道業界は競争があまりないため、高コスト体質になりやすいです。
JRと並行する中小鉄道会社はあるかもしれませんが、中小鉄道会社どうしで同じ区間を走っているのはありません(都市部で大手鉄道会社ならあります)。
また、昔からある会社が多いため、大雑把な文化が残っているところが多いです。そして、コストの計算方法は大雑把になっていることがあります。
業界の人に聞いてみたところ、0が1桁多いこともあるそうです。また、どうやって計算したかわからないという費用もありますし、会計ミスも珍しくありません。簿記など知らない人も多いです。
なら解決策は簡単ですよね。会計への意識の醸成と、IT技術の導入による正しいコスト管理です。
こうすることにより、「物価高だから、人材不足だから」というありきたりな(免罪符のような)理由での値上げを避け、黒字化に近づけることもできます。
鉄道ファンの意見を聞く
鉄道会社が意外と見落としているところです。
実は鉄道業界のことを一番よく知っているのは鉄道ファンです。この鉄道ファンの意見を取り入れないのはもったいないです。
例えば、人形やプラモなどのフィギュアは、その手のマニアの意見を商品開発に取り入れています。
地域の中小鉄道会社も、鉄道ファンの意見を経営や戦略に取り入れることで、外部の新鮮な知恵を活かしたことができるようになります。当たり前すぎて気がつかなかったことにも気がつけるようになり、少額の投資や少ない人材で効果的な策を練ることも可能になります。
また、鉄道ファンからすると、自分ではなくても鉄道ファンの声を聞いて反映してくれるとなれば、満足度が上がりますので長期継続顧客になってくれますし、口コミで新規顧客を連れてきてくれます。
確かに、撮り鉄や音鉄など迷惑をかけている鉄道ファンもいますが、常識のある鉄道ファンのほうがはるかに多いです。
仕事の内容次第ではありますが、鉄道ファンの力を借りる手は大いにあると思います。
ただし、経営資源や実現可能性を考えていないファンは対象外です。鉄道ファンの意見を取り入れない鉄道会社が多いのは、非現実的な妄想を言うからです。鉄道会社からすると、そのようなファンは経営の妨げになって邪魔なだけです。
日頃から現実的な意見を発信している鉄道ファンとSNSでつながることが有用です。

今回はここまでにしておきます。
次回はもっと具体的な策をお送りします。
今回もありがとうございました。