みなさん、こんにちは。
前回まで、地方の公共交通機関のあるべき姿について考察していきました。
でも、診断士からすると、鉄道会社など地方の公共交通機関の支援の仕事が入ってくることはなかなかないと思います。
だから前回までの話は「俺には関係ない」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、逆にご自身の経験やスキルを踏まえて「診断士ならこうできる、こう手伝える」とか、「自分の力(スキル)ならこうできる」ということが頭に思い浮かんだ方もいらっしゃるかもしれません。
今回は診断士が実際に地域の支援をする観点から見ていきたいと思います。
それでは、今回もよろしくお願いします。
地域支援の仕事って?
まず、中小企業診断士が行う「地域支援」の仕事とはどのようなものでしょうか?
中小企業診断士が行う「地域支援」の仕事は、単なる企業の経営相談にとどまらず、地域経済や地域社会全体を元気にするための活動が中心になります。
具体的には、次のような仕事があります。
商店街・地元企業の活性化支援
・商店街の再生プロジェクト(空き店舗対策、イベント企画、デジタル化支援など)
・販売促進のアドバイス(SNS活用、店舗ブランディング、キャッシュレス導入支援)
・業種転換や新商品開発の支援
例えば「地元の和菓子屋とカフェが協業して“地域ブランドスイーツ”を開発する」ようなプロジェクトの企画・支援を行う仕事です。
行政・自治体との連携による地域経済政策支援
・市区町村の産業振興計画の策定支援
・地域産業の実態調査・分析
・補助金・助成金の運用支援や審査員業務
例えば「地方創生プロジェクト」や「中小企業振興基本計画」を行政と一緒に作り、実行段階まで伴走する仕事です。
地域資源を活かした新事業づくり
・地元特産品のブランド化支援
・観光資源の発掘・プロモーション支援
・6次産業化(農業×加工×販売)のサポート
例えば「地域の農産物を使った加工品開発+EC販売戦略の立案」など、1次産業と商業をつなぐ役割です。
例えば大阪市では、「大阪市都市農業振興事業」として、大阪市産の農産物をブランド化する取り組みをしています。詳しくはこちらの動画をご覧ください。
地域の中小企業同士のネットワークづくり
・異業種交流会・勉強会の企画運営
・地域団体・商工会とのコーディネート役
・産学官連携の橋渡し
例えば「地元企業×大学×自治体」で地域課題を解決するプロジェクトを立ち上げる仕事です。
厳密に言うと経営支援機関や商工会議所での相談業務も地域支援に該当します。経営相談員(エキスパートバンク等)としての活動、創業・事業承継支援、経営革新計画や補助金申請書の作成支援などですね。
このような地域支援の仕事は、診断士としてある程度の経験と知名度があると、公的機関や自治体から依頼されることがあります。
地域支援と公共交通機関
ここまでの内容を見ると、「地域支援の仕事に公共交通機関なんて関係なくね?」と思われるかもしれません。
でも実は、公共交通機関は無関係ではありません。経営資源としてうまく「活用」していくことが求められます。
例えば銚子電鉄なら千葉県の銚子市にあります。
「銚子電鉄の支援」というのは、診断士だとなかなかありません。しかし、「千葉県銚子市の支援」なら地域支援の仕事で診断士にもありそうですよね。千葉県の診断士協会にならそのような依頼が入っていると思います。
そのときの経営資源の1つに「銚子電鉄」があるとしたら、ほぼ確実にマーケティング戦略で銚子電鉄を活用すると思います。
なぜなら、銚子電鉄は全国的に知名度があり、様々な有名人や企業との連携をしているからです。

ここまでの知名度や取り組みがない公共交通機関でも、例えば観光客向けのツアーの際に移動手段として利用してもらうくらいはできますよね。
できるのは「+α」くらいのこと
中小企業は大企業と違って経営資源が脆弱です。多額の資金をかけることはできません。
例えばいきなり「有名人を呼ぶ」では厳しいですよね。多額のギャラが発生しますし、有名人からするとそもそも来る動機がありません。
しかし、その地元出身の芸能人で、自治体や市内の特定の企業と付き合いの深い人ならどうでしょうか?
その人なら、つながりで呼べそうですよね。
銚子市なら、銚子電鉄が様々な芸能人やYouTuberとコラボしています。また、漁港周辺の飲食店ならロケで芸能人もよくきています。
そのため、銚子電鉄や飲食店の関係者を経由して、芸能人やYouTuberを呼べそうです。
例えば、銚子市から、銚子市内の建設業企業の社長をたくさん呼んでの勉強会の企画運営を頼まれたとしましょう。
ただ社長をたくさん呼んでも、社長どうしの愚痴のこぼしあいや飲み会で終わってしまいますよね。
そこで、銚子市と銚子電鉄とのつながりを活用します。
実は銚子電鉄は、かつて日本テレビの24時間テレビの企画で、タレントのヒロミさんに駅を改築してもらったことがあります。ヒロミさんと言えば日曜大工のプロで、建設業にもかなり詳しいです。
そこで、銚子電鉄を経由してヒロミさんを勉強会のゲストに呼び、銚子電鉄の駅をもとに講演してもらえば、参加した社長にとってのかなりの収穫が出てきます。
このように、公共交通機関は「経営資源」として使うことができます。
また、コンスタントに行うことも重要です。
中小企業は大きな策ができません。だからこそ、コンスタントに策を実行していく必要があるのです。
例えて言うなら、病気になったときに薬を飲みますが、あれは基本的には朝昼晩でコンスタントに飲みますよね。1回飲んで、忘れた頃にもう1回飲んで、では治るものも治りません。
今回は「診断士として何ができるか」という面から、地域活性化の策について見ていきました。
今回もありがとうございました。