みなさん、こんにちは。
ここから何回かにわたって、自己効力感と動機づけをつなげてみたいと思います。
それでは、よろしくお願いします。
自己効力感の復習
まずは自己効力感の復習です。
自己効力感は、自分に対する信頼感や有能感のことで、「自分はやればできる人間だ」という確信のことです。
そして、自己効力感を高める4つのポイントはこのようなものでした。
・安全な場づくり(心理的安全性)
・成功体験(小さな成功)
・モデリング(見本を見せる)
・言語的説得(ほめる、認める)

4つのポイントはつながっている
上記の自己効力感を高める4つのポイントは、バランストスコアカードの4つの視点(財務、顧客、社内ビジネスプロセス、学習と成長)のように、因果関係でつながっています。
つまり、
①安全な場づくり(心理的安全性)
↓
②言語的説得(ほめる、認める)
↓
③モデリング(見本を見せる)
↓
④成功体験(小さな成功)
↓
自己効力感(自律性)
↓
自分や周りの成長、(組織)活性化
↓
前向きでポジティブな文化の醸成
という具合に、因果関係でつながっています。これはマズローの欲求段階説と同じく、前の要素を満たしていないと後ろの要素も満たせないものになっています。
①安全な場づくり(心理的安全性)
これは安心感、心理的安全性、信頼の「接して与える三大要素」が絡んでいます。笑顔、聴く力、ポジティブで楽しい雰囲気、謙虚な対応などにより、相手が安心感や心理的安全性、信頼をもつことによって「安全な場」が作られます。そうなると発言も行動も自由にでき、パフォーマンスが上がります。
「ポジティブで楽しい」なので、ネガティブなことを言う人はこの時点でアウトです
安全な場が作られれば本音も話せるようになります。「自己開示」というやつですね。
これはコンサルティングでも相手の社長や従業員の話を聴く上で非常に重要になります。
サービスの無形性の改善策に「見える化」があります。企業経営理論で習いましたよね。サービスの内容やプロセスなどが見える化すると、消費者は安心して利用できるというものです。
これは自己開示にも言えます。失敗を責めないなどの安全な場づくり(心理的安全性)ができていると、安心して本音を話せます。自己開示が増えると組織としては隠し事や言いにくいことがなくなるので、トラブルや不祥事が減ります。
安心安全な空気を作る
「安全な場づくり(心理的安全性)」は、「場づくり」なので、空気を作る必要があります。
いくら「私は怒らないですかねー」と言葉で言っても、どうも態度が落ち着かなかったり恐い表情をしていたりしたら、安心できませんよね。
それは「安心できる空気」を作っていないからです。「この人は否定してこない、安心できる」というポジティブな空気やムードがないと、安全な場は作れません。
まずは相手が(自分に対して)安心感をもってもらえないと、やることもやれなくなってしまいます。
例えばいつ怒られても(ダメ出しされても)おかしくない人と一緒に仕事はしたくないですよね。これはその人に対する安心感や心理的安全性、信頼がないからです。つまり、その人と一緒に仕事をする際の安全な場ができていないからです。
この点、ほめ達にはポジティブな空気やムード、場の雰囲気を作る力があります。そのため、安全な場づくりは得意です。
ほめ達でも、器用なほめフレーズなど言えなくてもいいのです。ただし、ほめ達は「おおー、すごいですね」とか「いいですねー」など簡単なほめフレーズが反射的に出てきます。また、雰囲気というか、オーラも楽しくてポジティブなものになっています。だから相手に安全な場を提供することが得意なのです。
誰にだって嫌いな人、相性の悪い人はいます。そういう人に対して「嫌い、相性が悪い」と思ってしまうのは、安全な場づくりができていないからです。自分の価値観に合わないこと(否定や不快な態度)をされて安心感や心理的安全性が確保できていないことが原因です。
対策としては、短所や問題点をリフレーミングによってポジティブに変換して、嫌悪感を洗い流してしまうといいと思います。
否定は安心安全な空気を壊す
ダメ出しや説教、注意などの否定は、相手の心理的安全性を崩壊させ、成長を止め、パフォーマンスを下げる行為です。
感情的になって否定するのはもちろんダメ。感情的ではなく冷静に言ったとしても、相手が「否定だ」と思ったらアウトです。
特にこれは若い世代ほど顕著です。上司や先輩などが嫌で退職してしまう若者が多いのは、心理的安全性ができていない(心理的安全性を上司や先輩が作ってくれない)からです。上司や先輩が「良かれと思って、愛のムチだ、自分が若い頃はそうされて育った、仕事上必要なことだ」などと言っても、否定された相手からするとそんな言い訳は響きません。ただ「この人は何か嫌だ」と悪い印象を植え付けてしまうだけです。
もし離職率の高さで悩んでいる会社があるとしたら、根本的な原因はこの「安全な場づくり」ができていないからです。
そのため、相手が何か言ってきても基本的には肯定。コメントや意見を求められたときも基本的にはポジティブなことを言うようにするのがいいです。「いや」とか「でも」と言ったらその瞬間に相手は不快になり、悪い印象を抱きます。
この内容を聞くと、「それって甘やかすことになるだろ、温室育ちの無能が育つだけだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、安心感や心理的安全性をもつことは決して「甘やかす」とか「温室育ち」ではなく、パフォーマンスを向上させて成果につなげるものです。
相手への敬意なども含む
また、安全な場づくり(心理的安全性)は、謙虚さの前提スキルである「相手への敬意など」も絡んでいます。背景の事情を考慮し、労をねぎらうことや感謝、相手の意見の尊重をこまめに行うことで、相手は安心感を得ます。
相手が「この人なら怒られない、失敗しても大丈夫、不安はない」と思えると、自分に対して心理的安全性をもってくれます。そうすると積極的に発言ができますし、意見や提案も増えていきます。積極的に行動することもできます。
先ほども述べましたが、離職率が高い現場はこの心理的安全性の確保ができていないことが根本原因です。上司や先輩にできることは、部下や後輩が安心して話せて意見が出やすくする環境を整備することです。
この「相手への敬意など」があるからこそ、ほめることもラクにできるのです。逆に、謙虚さがなく傲慢な人だと、下手をすると「俺がほめるのはおかしい。むしろほめられて当然な身だからほめろ」という態度になってしまいます。
ほめるスキルは、ポジティブなフレーズやほめ言葉がすべてではありません。相手に向き合い、相手に安心安全な場(心理的安全性)や信頼関係を提供することが大切です。これがないと、いくらほめ言葉を言っても相手には響きません。
相手を大切にし、元気と勇気と希望をもってもらう。これができるなら、極端な話、やり方は何でもいいのです。自分が相手に対して拒絶や排除の姿勢を見せたり、ネガティブに解釈したりしなければ、ポジティブに解釈できなくてもいいです。相手に向き合う姿勢をもつことはできるはずです。
ほめ達協会には「誰もが尊敬しあえる世界にする」というミッションがあります。その「尊敬」には存在への感謝や敬意、尊重の意思も含まれています。見知らぬ人だろうとここで「ウザいな」とか「うるせーな」と思ってしまうと、ミッションの達成は不可能です。
《今日のほめフレーズ》
質問させてもらっていいですか?●●さんだからこそ、めっちゃ聞きたいことがあります。
今回はここまでとします。
次回も安全な場づくりについて見ていきます。
今回もありがとうございました。