みなさん、こんにちは。
今回は自己効力感のうちの「言語的説得」について見ていきます。
それでは、よろしくお願いします。
4つのポイントのつながり
今回も再掲になりますが、自己効力感を高める4つのポイントは因果関係でつながっています。
①安全な場づくり(心理的安全性)
↓
②言語的説得(ほめる、認める)
↓
③モデリング(見本を見せる)
↓
④成功体験(小さな成功)
↓
自己効力感(自律性)
↓
自分や周りの成長、(組織)活性化
↓
前向きでポジティブな文化の醸成
という具合に、因果関係でつながっています。これはマズローの欲求段階説と同じく、前の要素を満たしていないと後ろの要素も満たせないものになっています。
②言語的説得(ほめる、認める)
これはほめ達ど真ん中のスキルですね。
ただし、安心安全な場を提供していることが前提になります。
「ほめる」とは
まず、「ほめる」の定義を確認しておきましょう。
「ほめる」とは、人・モノ・出来事の「価値」を「発見」して「伝える」こと。相手の耳と心を開かせる魔法のカギ。
ほめ達とは、価値発見の達人、(見えない、気づかない)価値にスポットライトを浴びせられる人、明かりをつけられる人。
認める、応援する、感謝する、労をねぎらうこともほめることの対象になるが、おだてる、お世辞、ヨイショ、持ち上げることはほめることではない。
必要な力は、観察力、変換力、伝える力。
理想的なほめ方は、自己効力感(自己肯定感や自信、有能感)や自己決定につながるようにしながら、権力関係(上司・部下、先輩・後輩)などの統制・被統制関係が極力見えないようにする、かつ相手をコントロールしたい思惑が一切見えないようにすることです。
上下関係や他人との比較を感じさせないようにほめる必要があります。その人の存在そのものや、その人の中だけの成長や貢献を感じさせるようにほめることがコツです。
励ますことも「ほめる」になります。例えば相談されたときに相手を励ますことも「ほめる」です。不安や動揺などを感じやすい人、落ち込みやすい人やグチばかりこぼす人には励ますことが有効です。
ほめ達ならば言語的説得だけでなく安全な場づくりもできていることがほとんどですが、そうでない方だと言語的説得はしても安全な場づくりができていないことがあります。
前回見た「いつ怒られるかわからない人」がいい例ですが、こういう人は普段から安全な場づくりはもちろん、言語的説得(ほめる、認める)もできていません。自己啓発の本やセミナーに影響されてほめることはあっても、中途半端に終わってしまいます。それは安全な場づくりができていないからです。ダメ出しをされた相手からすると、安全な場ができていない人からほめられても、何か魂胆があるように見えてしまいます。
ほめるポイント
ポイントはいくつかあります。
ほめることは「小ロット、短サイクル」
事例Ⅲの受注生産のようなものですね。ほめることは見込生産ではなく受注生産です。
受注生産なので在庫もないですよね。ほめることに「在庫」はありません。受注平準化や納期遅延の防止が課題だったと思います。ほめることもコンスタントにやっていく必要がありますし、「ここはほめるタイミングだったのにそれを逃した」というのも避けなければなりません。
当たり前のこと、些細なこともその場ですぐにほめていきます。ほめてほめてほめまくる、くらいのイメージです。小さなことでもいいので相手をほめていきます。気の利いたことや器用なほめフレーズなんて言えなくていいです。何気ない言葉こそが相手の心に響きます。
また、受注生産はシーズ志向ではなくニーズ志向です。消費者のニーズに適応することが求められます。
ほめることも同じです。相手のニーズに適応した内容をほめないと効果は薄くなります。例えば、相手が「自分はかわいくない」と思っているのに、「かわいいですね」と言っても効果はありません。また、相手が「今週は頑張って仕事したからほめてほしい」と思っているのに、「仕事なんてできて当たり前」なんて言ったら相手は不機嫌になってしまいますよね。
さらに、延期の原理を適用しているため、拠点は分散化します。
ほめるところにしても、ほめる相手にしても、特定の部分や特定の人に集中するのではなく、ある程度ほめる部分やほめる人を分散させたほうがいいです。
ほめることは、多すぎるくらいでちょうどいいとされています。「どうしてもここはダメ出しの形で言わないと大変なことになる」というもの以外はすべてほめるくらいでちょうどいいです。
具体的な内容(事実)や貢献を入れる
こうすると口からの出まかせの気がしなくなり、相手への説得力や相手が抱くポジティブな印象が向上します。つまりほめる効果が上がります。
また、成長や貢献の実感(心の報酬)を相手に与えることでもほめる効果が上がります。
事実を入れることは、その人の全体ではなく「部分」に限定してほめていることになります。だから具体的になって説得力が上がるのです。逆に事実を入れないと全体をほめることになってしまい、抽象的になって説得力が下がります。
ただ「かわいいね」より「ネイルがかわいいね」と言ったほうが説得力はありますよね。逆に「かわいい」だけだとどうしても相手は信じる気になれないのです。
容姿に関することはコンプレックスや劣等感を刺激する恐れがありますが、限定的にほめればそのリスクは下がります。
これができると、口先だけのほめ言葉ではなく、しっかりとしたほめ言葉になるため、相手の心にしっかり届きます。
すぐに効果が出ることは期待しない
ほめることは、種を蒔くことです。即効性はないかもしれませんが、長い目で見れば必ずそのほめ言葉は相手に効いています。
元気よく、ハキハキと言う
ほめるときは、元気よく、ポジティブで楽しい雰囲気で、大きな声でハキハキと言うのがいいです。
ボソボソと言っていてはわかりませんし、ネガティブな雰囲気で言われても説得力がないですよね。
最初から「ほめる」と決めにかかる
目の前の人、隣にいる人、近くにいる人を最初から「ほめる」と決めてかかる、ほめフレーズを1つ出すことも有効です。
また、意見を聞かれたら(コメントを求められたら)、ポジティブなことをまず言うと決めてかかることも有効です。
まずほめフレーズを出してみましょう。そうするとほめた理由が必ず後からやってきます。「まずほめよ。後はそれから考えよ」です
どんなにウザい、鬱陶しい人に対しても、「この人にはどんな素晴らしいところがあるのかな?」と、価値の宝探しをするようにワクワクしながら相手を見ていけば、ポジティブで楽しい雰囲気が出てきます。そうなれば相手の良いところをどんどん見つけ出すことができます。
コントロールには使わない
ほめることを相手のコントロールには使わないことが重要です。ほめて相手を自分の思い通りに動かそうとすると、その意図が知らず知らずのうちに相手に伝わってしまい、警戒されてしまいますし、安心感や心理的安全性、信頼につながりません。
ほめることは自己完結するものです。ほめることで自分自身の心が整うもの、自分が豊かになるものです。相手の反応を期待してはなりません。
相手が動くとしたら、それは相手が自分で気づいて自分から行動する「内発的動機づけ」によるものでなければなりません(外発的動機づけで相手を動かすことはNGです)。
「ほめる」は人のためならず。自分のためにするのが「ほめる」こと。「ほめる」ことで自分の心が整う。「ほめる」ことは自己完結です
嫌味にならないように
ほめ言葉が嫌味やコンプレックス・劣等感を刺激する言い方にならないように気をつける必要があります。
例えば、「やればできるじゃないか」。これは一見するとほめているように聞こえますが、相手からすると「普段はできていない、普段は十分にやっていない」と解釈されてしまい、嫌味のように受け取られてしまう恐れがあります。
また、容姿や性格などはコンプレックス・劣等感につながっている可能性があるので、ほめる場合は細心の注意が必要です。
《今日のほめフレーズ》
どうしてそんなにできるのか、秘訣を教えてください
今回はここまでにします。
次回も「言語的説得(ほめる、認める)」について見ていきます。
今回もありがとうございました。