自己効力感と動機づけ⑥

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みなさん、こんにちは。

今回も前回の続きで、自己効力感について見ていきます。今回は「成功体験」の内容をご紹介します。

それでは、今回もよろしくお願いします。

4つのポイントのつながり

自己効力感を高める4つのポイントは、因果関係でつながっています。

①安全な場づくり(心理的安全性)

②言語的説得(ほめる、認める)

③モデリング(見本を見せる)

④成功体験(小さな成功)

自己効力感(自律性)

自分や周りの成長、(組織)活性化

前向きでポジティブな文化の醸成

という具合に、因果関係でつながっています。これはマズローの欲求段階説と同じく、前の要素を満たしていないと後ろの要素も満たせないものになっています。

④成功体験(小さな成功)

これは大成功のことではなく、スモールステップで成功体験を積ませることです。いきなり大きな成功はできません。バリアフリーのように小さな階段を用意するのです
大きな成功ではなく、小さな成功を積み重ねることで、「自分でもできるんだ!」という実感を得ることができます

受験で例えるなら、講義を受けて、問題集をやって、答練で合格点を取れたらその科目はひとまず安心できますよね。これも成功体験です。そうすると「私のやり方は間違っていない」という実感を得られますから、本試験に向けて自信を持ってインプットの強化やアウトプットができます。
仕事でもマニュアルに従ってきちんと作業ができると安心できますよね。「オレにもできた。大丈夫だ」という実感を得られます。

こちらも実感を得ることなので、内発的動機づけに該当します小さな成功を積み重ねるほど、内発的動機づけも大きくなっていきます

ほめ達認定講師養成講座では、ほめ達になってから起きた変化や感動エピソードを回答させる課題があります。これはこの成功体験に関係しているからです。

部下や後輩の成功をほめる+次の課題を出す

これは上司や先輩も意識したほうがいいことです。

部下や後輩が小さな成功体験を得たとき、上司や先輩はほめるだけでなく、「次はこれに挑戦してみよう」とか「次のレベルまであとこれくらいだね」などと言うことが重要です。こうすることで、部下や後輩の内発的動機づけが高まると同時に、ほめられて調子に乗ってしまう「ほめっぱなしの罪」の対策にもなります

効果的な報酬とは、物理的なものや形式的なものではなく、その人の成長と自己実現を支援し、良好な人間関係の中で承認が得られる環境そのものだと言えます。

失敗しても大丈夫

スモールステップなので、失敗してもダメージはあまりありません。確かに0ではないですが、生活に影響が出るようなことはありません。

また、スモールステップでの失敗ならダメージがあまりないことから、失敗について前向きに捉えることができます

失敗や間違いはないのです。失敗は「成長への挑戦、成功のための経験・気づき」ですし、間違いは「違い」です。ほめ達は失敗や間違いをこのようにポジティブな意味で捉えています

自己効力感(自律性)

4つの要素の因果連鎖を渡っていくことで、自己効力感が高まります
つまり、「自分はやればできる人間だ」と思えるようになり、自分に対する信頼感や有能感(自分の能力に対する自信)を実感できます

仕事でも受験でも、4つの要素の因果連鎖を経れば大きなモチベーションになります。「自分はできる、大丈夫だ」という自信があるから、自分からどんどん動いていくことができます

「実感」なのでもちろん内発的動機づけにつながるもので、その大きさもかなり大きなものになっています

そして、自律性をもって主体的・積極的に行動する(自分自身で計画を立て、自らの考えで目的達成のために行動する)ことができ、自分の成長につながります

その結果、自分の強みやブランドが確立され、強固なキャリアが形成されます。やがてそれが名誉や名声につながっていきます

他人や組織にも適用できる

この流れが他人にも及ぶようになると、ほめる習慣が組織についてくるので、組織文化の変革や組織活性化を図ることができます。従業員満足度が高まり離職率も下がりますから技術力が高まります。組織のモラールが向上するから組織のパフォーマンスや生産性も上がります。自己開示が増え隠し事や言いにくいことも減るのでトラブルや不祥事も減ります

組織の雰囲気が良くなってくると、悪い情報も報告しやすくなります。その結果、大きなトラブルの未然防止、品質の向上を図ることができ、トラブルによるブランド失墜の防止、ブランドの向上が図れます

結果的に、前向きでポジティブな文化の醸成につながり、最終的には利益や企業価値の増加につながります

ほめることは、相手に2つの「心の報酬」を与えることでもあります。つまり、成長の実感と貢献の実感を与えることで、相手のモチベーションが上がり、仕事などの成果が上がり、組織の雰囲気が良くなりますし、楽しんで仕事ができるようにもなります。結果、組織活性化や前向きで積極的な組織文化の醸成につながっていきます

実は組織の問題はほとんどがモチベーションに絡むものです。少なくとも「人」に関する問題はほとんどがモチベーションに関連しています。よって、モチベーションの問題さえ解決できれば人に関する問題のほとんどは解消します。

つまり、人に関する問題のほとんどは今回の自己効力感の流れをもって解消できるのです。
しかし、経営者や管理職の多くはそれに気づいていません。もしくは気づいているけど過小評価しています。そのため、精神論で片付けたり、聞こえの良い制度(成果主義、表彰制度など)を導入したりして終わらせています。

昔のように、「規則を守るのが当たり前。守らないなら罰する」のような減点主義のやり方では、社員どうしで粗探しや足の引っ張り合いをするなど、後ろ向きで消極的な組織文化にはなっても、社員どうしでほめ合うような前向きで積極的な組織文化にはなりません。

自己肯定感・自尊心との違い

自己効力感と似たような言葉に自己肯定感がありますよね。
これとの違いを見ていきましょう。

一言でいうと、自己肯定感は「ありのままの自分でOKと思える気持ち」で、自己効力感は「やればできると自分の能力を信じる感覚」です。
もう少し深くいくと、自己肯定感は存在そのものの価値を認める感覚で、できてもできなくても「自分は存在として大丈夫」と感じられるものです。心の安定や幸福感に関わる「性格の土台」みたいなものです。
一方、自己効力感は特定の行動を達成できるという自信です。「この仕事なら自分はできるぞ」とか「診断士の勉強、ちゃんと継続できそう」などと感じられるものです。行動する力、モチベーションの「行動のエンジン」みたいなものです。

ちなみに、両者はお互いに強化し合う最高のコンビです自己肯定感があると、失敗しても折れにくいため、行動を続けやすくなり、自己効力感が育ちやすい。逆に自己効力感が積み上がると、「自分ってやればできる」という感覚が増えるから、結果的に自己肯定感も高まりやすい。このような関係性があります。

次に、「自尊心」との違いをみていきましょう。自尊心は自分自身を価値ある存在として尊重し肯定的に受け止められる気持ちのことで、自己肯定感とほぼ同義で使われますが、自己肯定感は「ありのままの自分」を受け入れる感覚がより強調され、自尊心は成功体験などポジティブな要素で構築される側面もある、と区別されることもあります。

《今日のほめフレーズ》
(見知らぬ人でも見た瞬間から「ほめる」と決めておく)

今回は成功体験と自己効力感に関することについて述べていきました。

今回もありがとうございました。