そうくるか、惜しい

ほめ達/
  1. ホーム
  2. ほめ達
  3. そうくるか、惜しい

みなさん、こんにちは。

今回はほめ達検定3級でも扱う「そうくるか」と「惜しい」について見ていきます。

実は今回の内容が、次回以降のテーマにつながっていきます。
それでは、今回もよろしくお願いします。

そうくるか

「そうくるか」は、「これはほめてはいけない」と思ったときや、相手の意見が間違っているとき、何を考えているかわからず賛同できないときに使うものです

本音のままストレートに「全然違うぞ」とか「何を考えているんだ」と言ってしまうと、相手の心がポキンと折れたり、相手との関係性に溝がビビビビっと入ったりしてしまいます。そこで、「何を考えているんだ。全然違うぞ」と思ったときに、その気持ちを表現する婉曲的な言葉が「そうくるか」です

これを言われると、相手からすると「間違ったかもしれないけれど、努力は認めてくれているんだな。じゃあもう一回やり直してみよう。方向性を確認してみよう」という気持ちになります相手に間違っていることに気づかせつつ、相手は不快になることなくもう一回やり直してみようという気にさせる、非常に良い言葉です

実はこの「そうくるか」を言うことによって、言う側も少しガスが抜けます。「全然違うぞ、何を考えているんだ」とか「俺としては反対だな」という気持ちを、婉曲表現とは言え相手に伝えることができているからです。

さらに、「そうくるか」にはこちらにとって意外なもの、知らないものが来たという印象を相手に与えるため、「自分はできる人間だ」という自信にもなります。そのため、外発的動機づけを与えるほめフレーズになります

惜しい

「惜しい」は、相手にアドバイスや課題を与えたいとき、つまり相手、「ここを直してほしい」、「この人のここを直したらいいのにな」ということを伝えたいときに、相手がこちらの話す内容を聞きたくて聞きたくて仕方がない、「その続きを早く教えてください」という状態になる便利な言葉です

また、「惜しい」には「あとちょっと」のニュアンスがあるため、全然できていない場合でも、これを言うことで相手は8〜9割くらいできているように感じ、モチベーションが下がるどころか上がります。つまり外発的動機づけになります

さらに、「惜しい」の後にはすぐに直せて効果の高い言葉が続くものと相手は予想します。相手はその「あとちょっと」とは何か、期待をもって聞こうとします。そして、「あとちょっとなんだ。頑張るぞ」と思えるため、安心感をもて、こちらも外発的動機づけを与えるほめフレーズになります

「そうくるか、惜しい」が有効な理由

これは、上記の説明にもあった「全然できていない」とか「全然違う」と評価した場合でも、相手の「思考・挑戦・方向性」は肯定できるためです。相手からしても、自身の思考や挑戦、方向性を肯定されたほうが、できていない場合でもポジティブに捉える余地が出てきます。

否定ではなく「受け取った」サインになる

「違う」や「ダメ」は思考そのものを拒否するメッセージですよね。通常、「全然違うぞ、何を考えてるんだ」と思ったら本音のままこのように言ってしまい、相手の心を折ってしまいます。そうすると、相手の安心感や心理的安全性がなくなりますし、相手のモチベーションも下がってしまいます

一方で、「そうくるか」や「惜しい」は、「あなたの考えは、ちゃんと受け取ったよ」という対話継続の合図になります
特に「そうくるか」は正解・不正解の土俵にすら上げずに受容できる魔法の言葉といえます。

相手の“挑戦”を守る

ほめ達が大事にしているのは結果よりも、挑戦や思考のプロセスです。
「全然違う」とか「何を考えてるんだ」と言われると、人は「考えてもムダ」、「正解がわからないなら黙ろう」と学習してしまいます
これは「学習性無力感」と言い、努力しても状況を変えられない、または不快な状況から逃れられない経験を繰り返すことで、「何をしても無駄だ」と学習し、自発的な行動や抵抗をやめてしまう心理状態です。

しかし、たとえ全然違う、何を考えているかわからず賛同できない場合でも、「そうくるか」や「惜しい」と言われれば、方向性は合っている可能性がある、その発想自体は面白いという印象になり、「また考えてみよう」という気にさせてくれます
そのため、「そうくるか」や「惜しい」は、修正の余地を残す高度なフィードバックの言葉といえます。

「全然違う」は思考停止を生むだけです。でも「惜しい」は、「何かが足りないだけ」というメッセージになります。
また、言った側も次に「ここがもう一歩だね」とか「もし◯◯が入ったらどうなる?」と具体的な修正提案につなげやすいメリットもあります。「惜しい」と言ったら、ほとんどできている理由、あとちょっとの課題が後から出てくるように脳が機能します

《今日のほめフレーズ》
かなり惜しいところまできましたね。すごいですよ

今回は「そうくるか、惜しい」について見ていきました。

「そうくるか」と「惜しい」は、ほめ達的に言うと、甘やかしや迎合ではなく相手の可能性を引き出す言葉と言えるのです。

さて、この「そうくるか、惜しい」ですが、これって一般の人には使えても、ほめ達に使ったらどうなるでしょう?
上記のような理由で使っている、ストレートに言うと相手との関係性に溝が入るなど、魂胆がバレバレですから、ストレートに言ったのと同じように捉えられてしまうでしょう

ということで、次回以降に続きます。
今回もありがとうございました。