嫌なら使うな?①

診断士活動(コンサル)

みなさん、こんにちは。

今回は、大企業を中心としたリーダー企業の「驕り」とも言えるものを見ていきます。

これはLTVが上がって長期継続顧客になっている人ほど、その企業について意識したほうがいい内容です。

それでは、今回もよろしくお願いします。

顧客生涯価値の復習

顧客生涯価値(LTV)は、マーケティングでは、企業にとってある一人の顧客が将来の関係全体に寄与する価値(純利益)です。
企業が顧客とのより長期的な健全な関係を保つ重要性を示唆しているもので、新規顧客を獲得するための支出の上限を示し、かけられる広告費用や投資回収率の目安にもなるため重要な指標となっています。

1回の取引だけでなく、リピート購入や長期的な関係性を含めた「顧客一人あたりの通算利益」を評価したものです。

企業にとっては顧客の新規開拓を行うよりも、現状の顧客を維持させるほうがさらに多くの利益をもたらすであろうと想定が成り立ちます。新規の需要が獲得しにくくなった成熟市場でこの概念が特に多く用いられています。

基本的な計算式は「平均購買単価 × 購買頻度 × 継続期間 × 粗利率」となっていて、以前は「粗利率」は入っていませんでしたが、最近は「粗利率」が入って4つの要素から成り立っています

ところが、リーダー企業はこの「継続期間」について、ある意味で強気になっているのです。

マクドナルドの例

ハンバーガーの業界のリーダー企業と言えばマクドナルドですが、最近は毎年どころか年に数回にわたって値上げをしています

ハンバーガーの値段が2000年代初頭だと59円だったなんて信じられないほど値上げしています。
ハンバーガー・ポテト・飲み物のセットにナゲットなどサイドメニューを1つ加えたら1000円を超えることもよくあります。

また、環境面を考えてストローを飲みにくい紙製のものにしましたし、最近はストローすらやめてさらに飲みにくくなりました

このように、マクドナルドが強気の値上げをすることや、ストローのことで不便になったことも、「利用客は減らない。文句を言いながらも何だかんだで利用してくれる」とたかを括っているからです。

もちろんマクドナルド自体は絶対にそんな思いは公にしません。しかし、顧客からそのように思われている(疑われている)時点で、「たかを括っている」となるのです。

これは「リーダー企業」の例です。

JRの例

JRは最近、「保守作業の時間の確保」という理由で終電を大幅に繰り上げています。これは在来線に限らず新幹線もです。例えば東京から新潟に向かう上越新幹線は、保守作業の時間確保という理由で1時間ほど終電時間が繰り上がりました。

また、田舎の路線を中心に、昼間に保守作業のために運休にする路線(しかもバス代行なし)もあります

JRがこのような措置を取るのは、「どうせ文句を言っていてもお前らはJRを利用するんだろ?」と思われているからです。
まともな競合が他にあれば、終電の大幅繰り上げや昼間の運休などしません
上越新幹線は、東京から新潟には航空便がないことと、高速バスでは圧倒的に時間がかかることから、まともな競合がありません。
昼間に保守作業で運休するような田舎の路線には、都心のような競合私鉄はありません。

どれも経済学でいう「独占」になっていますよね。

中小企業診断士 一発合格まとめシート後編より引用

ということで、これは「独占」の例です。

Docomoの例

Docomoといえば、日本電信電話(NTT)から出てきたものです。そして日本電信電話(NTT)と言えば半官半民の、いわゆる「お国系」の企業です。

NTTは、元々は国営の電電公社が民営化された経緯から、現在も「半官半民」の体質が色濃く残ると言われています。これは、政府(官)と民間が共同出資する形態(半官半民)の事業を指し、NTTグループでは、旧電電公社の流れを汲む保守的な企業文化、縦割り組織、公務員的な働き方(縛りが多い、不必要な業務が多いなど)として、社員の口コミや評価で指摘されることが多いです。

そんなDocomoですが、最近はスマホの電波がよく切れる、通信がつながらないことが増えています。いわゆる「パケ詰まり」というもので、都市部では通勤時間帯などには回線がパンクしてつながりにくくなる現象が頻発しています
また、都市部なのに突然圏外になることや、アンテナは入っていて通勤時間帯でもないのに全くつながらないこともあります

「パケ詰まり」とは、駅や繁華街などの人が多い場所で通信速度が極端に遅くなる現象で、5G整備の遅れや4G回線の逼迫、基地局の混雑が原因です。

特に、5Gになってからが顕著になりました。また、パケット通信の規制がなくなってみんな動画視聴やゲームをたくさんするようになったことも影響しています。

そんな状況なのに、Docomoは回線の増強をほとんどしていません。一応、公式には「対策として基地局の増設や調整を行っており、改善は進んでいます」と言っていますが、利用者からするとその実感はほとんどなく、「Docomoは口だけだ」などと批判されています。

こうしてDocomoがほとんど改善をしようとしないのも、「嫌な解約すればいいだろ」とか「どうせお前らは文句を言いながらも利用し続けてくれる」という驕りがあるからです。

これは「半官半民(お国系)」の例です。

リーダー、独占、半官半民こその驕り

ここまで見てきたように、リーダー企業、独占状態の企業、半官半民の企業には、驕りがあります

マクドナルドにしても、JRにしても、Docomoにしても、「嫌なら使うな」が本音です。
そして、「何だかんだ文句言っていてもお前らはどうせ使うんだろ?」と利用者をナメているような思いがあります

「嫌ならやるな」で最も有名なのは、かつてフジテレビが韓国寄りの放送をしていたときに、視聴者からのクレームに反論する形で出てきた「嫌なら見るな」です。

もちろん、これらの企業も「どうせお前らは文句を言ってもなんだかんだでウチを使うんだろ?」とは言いませんよ。そんなことを公に言ったらそれこそ終わります。
それっぽい理由をつけて、最後に「ご協力お願いします」という名の「文句を言わずに従え」という牽制をして済ませます。

要は、LTVの高い顧客は本来なら大切な顧客であるはずが、リーダー企業(しかも大企業)、独占企業、半官半民の企業からすると「ナメられる対象」になっているのです

たかを括る」と言いますか、「甘く見られている、見くびられている、見下されている」といった否定的な見方ができてしまいます。警戒を怠って用心しない、危機感がないなどの態度も見えます
また、十分な考慮もなく「どうせこうだろう」と安易な予測、強気な予測をされていることも感じ取れます

企業経営理論的に言えば、「情報の非対称性」もあって取引コストが上がっていると、交渉力が上がります。そうなると相手をナメてかかるようになります。

仮に利用者に不便を強いることをする場合でも、企業に驕りがないなら何ヶ月も前から案内をする、適切なフォローや改善をするなど、きちんと対応をするはずです。例えば私鉄で運賃の値上げをする場合、下手をすると半年くらい前からその案内をしています。

そういう真摯な対応がないということは、利用者をナメている、驕りがあるということです。「値上げしてもどうせ利用するんだろ?」という意識があるから、突然値上げをする不適切な対応をするのです

今回はここまでにします。

次回もこの驕りの話をしていきます。

今回もありがとうございました。