大企業の理屈はもってこない

診断士活動(コンサル)/
  1. ホーム
  2. 診断士活動(コンサル)
  3. 大企業の理屈はもってこない

みなさん、こんにちは。

今回は実務補習でもよくやってしまう、大企業の理屈をもってくることについて見ていきます。

大企業勤務の方は意識しておいていただけたらと思います。

それでは、今回もよろしくお願いします。

大企業の理屈をもってくるのはNG

これは、診断士で「やってしまうこと」の定番です。2次試験でも大企業に勤務されている方だと(特に初学者は)やってしまいがちなことですね。例えば事例Ⅰで「人員が足りない」とあったら何も考えずに「人を大量採用する」と解答してしまう、、こういうことをしていませんか?

実務でもこのような大企業の理屈を小規模企業や個人経営の店に当てはめてしまう人が非常に多いです。実際、大企業に勤務されている方の多くが実務補習でそれをやってしまい、指導員に指摘されます

例えば寂れた町工場に「貴社のノウハウを書籍化しましょう」なんて提案しても、出版社は相手してくれるわけはありません。大企業ならブランドがあるから生産部門などのノウハウを書籍化すればそれなりに売れますが、中小企業(特に小規模企業や個人企業)には無理です。

中小企業は経営資源の質・量が不足しています。これは中小企業経営・政策で習ったと思います。小規模になるほど経営資源だけでなく信用も不足し、お金の借入れや価格交渉など大企業にとっては当たり前にできることができません

大企業と中小企業にはこのような違いがあります。それを知らずに大企業の理屈をドヤ顔で改善策にもってきても却下されるだけです

「あげる」は禁句

これは大企業勤務の方が小規模企業の支援を行う際に多く見受けられることです。

例えば「御社を助けてあげたいです」とか「我々も良い案を考えてあげたいです」など、大企業勤務の方は相手企業の社長に対して無意識のうちにこのような「相手には上から目線に感じるフレーズ」を言ってしまうことがあります

また、「御社のような小規模の企業では」というのもNGです。
企業間の違いでマウントを取ることがないようにしていきましょう

もちろん、本人は上から目線で言っているつもりはないのかもしれません。しかし、相手企業の社長から上から目線だと思われてしまい、「大企業勤務で絶対安定のこの私が、簡単に潰れそうな小規模企業のあなたに知識やノウハウを教えてあげますよ」のように受け止められてしまいます。そうすると満足度につながらなくなり、せっかくの改善策も採用しにくくなります

謙虚な診断士になりたいなら、このような「無意識に出る上から目線フレーズ」をなくす必要があります

そこでコツを紹介すると、診断士の活動について「〜する」ではなく「〜させていただく」と捉えていきましょう。「ヒアリングさせていただく、改善策を提案させていただく」などと捉えるのです。そうすると相手への敬意や感謝の気持ちも出てきやすくなり、「助けてあげる」のような無意識の上から目線のフレーズは出てこないようになります。

中小企業の感覚をつかむトレーニング

医者だって症例をたくさん見て学びますよね。診断士も実際の事例をたくさん見て学ぶ必要があります。教科書的なことはあくまで基本であり、事例を知らないと基本の実践(応用)ができません。

言い方を変えると、実際の事例をたくさん見て学び、中小企業や小規模企業が実行できる改善策のネタをたくさん集めている人は差別化ができます。これは思っているよりも大きな差になります。

事例をたくさん見て学ぶためには、中小企業白書・小規模企業白書、J-Net21、はばたく中小企業・小規模企業事業者300社などに掲載されている実際の中小企業・小規模企業の改善事例などを読んで、中小企業や小規模企業が実行できる改善策のネタを集めるといいです。

もちろん、これら以外の媒体でも事例が紹介されています。
ご自身の合う媒体で事例を集めてみましょう!

今回は大企業の理屈について見ていきました。上から目線にならないように、ぜひ「今回の記事を理解していただく」ことができればと思います。

今回もありがとうございました。