診断士の支援で相手から求められていること

診断士活動(コンサル)
  1. ホーム
  2. 診断士活動(コンサル)
  3. 診断士の支援で相手から求められていること

みなさん、こんにちは。

今回は診断士がコンサルティング業務をしていく中で相手の社長・従業員から求められていることについて見ていきます。

相手企業の社長や従業員が診断士に求めていることは、ここから見ていく3つしかありません。これは言い方を変えると「相手企業の社長が診断士に支援を依頼する理由」とも言えます。また、伴走支援で求められていることにもなっています。

それでは、よろしくお願いします。

相手の頭の中にあるモヤモヤを明確化すること

例えばみなさんも、なんかモヤモヤする悩み事ってありませんか?それこそ診断士の1次試験や2次試験のこと、試験勉強のことでモヤモヤしたことはありませんでしたか?

そんなとき、家族や友人に悩み事を話したり、紙に悩み事を書いたりすることで、モヤモヤしていた悩み事が整理された(少し明確化してきた)ということがあると思います。

実際の支援でもこういうことはよくあります。相手企業の社長は、言葉に明確には表せないけど、何となくぼんやりとした悩みを抱えています。 2次試験では「これが問題点(課題)です」とか「これが社長の思いです」という形で明確に書かれていたと思いますが、実際の支援では問題点(課題)や社長の思いは明確になっていません

だからこそ、問題点(課題)や社長の思いが表れるように聴く力を駆使する必要があります。共感することはもちろんですが、相手企業の社長が自分の本音や思いを話しやすい場の雰囲気を作り出すことも、経営者の中での悩み事の明確化をさせる上では重要になってきます。

相手が薄々わかっていることに対して太鼓判を押すこと

先ほども見ましたように、相手企業の社長は「言葉に明確には表せないけど、何となくぼんやりとした悩み」を抱えています。その中には、改善策まで何となくわかっている(ぼんやりと見えている)場合もあります。ただ、表面化していませんし、解決策の質や成功可能性についても未知数です。さすがにそんな策に対して簡単に実行するわけにはいきません。

だからこそ、自分の判断が本当に正しいのか判断してもらい、専門家の太鼓判をもらって背中を押してほしいのです。

「太鼓判を押す」は「勇気づける」ということでもあります

相手企業の社長は、コンサルタントに正解を求めているわけではありません。先生としての役割や代行業者のようなことをしてほしいわけでもありません正解までの何となくのイメージは相手企業の社長がもっています診断士には「正解にたどり着くために不足している要素を外部の第三者的立場から支援する」ことが求められているのです相手企業の社長は、自分の知識や経験だけではその達成のためには不安要素があるから、外部の専門家にお願いをしているだけです。

無の状態から改善策を考えることはない

実際の診断士の支援でも、診断士が無の状態(ゼロ)から改善策を考えることはありません。なぜなら改善策は相手の頭の中に(ぼんやりと)あるからです。そのため、社長の頭の中にない全く新しいものを持ってこられても、経営者は興味はありません。税理士のコンサルティングのような、一方的に教える「一方向のコミュニケーション」が支援では通用しないのは、このためです。

また、相手企業の社内や業界のことは相手企業の経営者が最もよくわかっていることも要因に挙げられます。外部の者がその知識やスキルで経営者を上回ることはありません。

例えば、仏壇や数珠を扱う専門店の支援をするとして、みなさんは仏壇や数珠のことをどれだけ理解していますか?余程の人ではない限りは縁遠い世界ですよね。もちろん、支援をするに当たってネットなどで調べるでしょうが、それでも長年その業界にいる人からすると付け焼き刃レベルです。

そんなレベルの診断士が無の状態から改善策を考え、長年その業界にいる人を相手に提案しても「知ったかぶるな、ウチのことをわかっていない」と一蹴されるだけです。できない理由をあれこれ並べ、断られるだけです。

相手企業の社長は、SWOTや改善策に関してはこちらの100倍以上の質・量の知識があります。だからこちらが対抗できるわけはありません。知ったかぶりをせず素直に教えてもらいましょう

「それってどういうことですか?」、「詳しく教えて下さい」。
こういうことをスムーズに言える人ほど有利になります

診断士の支援の場合、答えは必ず相手がもっています。今はそれが霧の中に隠れているだけです。診断士は全く新しいものを提案する必要はなく、相手企業の経営者の思いに共感しニーズを聞くだけでいいのです

診断士は聴く力を駆使することで霧を晴らし、相手企業の社長がその答えをハッキリ認識する手伝いや気づきを与えることしかできないのです。これが「伴走支援」です。

それなのに、そんな思いを無視して自分の知識やスキルありきで全く新しいものを解決策として提案されても、経営者は「私の考えていることと全く違うんですけど」と戸惑ってしまいます。納得して受け入れるわけはないです。安心感・信頼や満足度がないのに、こちらの提案なんて聞いてくれるわけがありません。納得するわけもなく、何だかんだ理由をつけて断られるだけです。これは「一方向のコミュニケーション」の典型例です。

当たり前になりすぎていて気づけないことを指摘し、「気づき」を与えること

相手企業の社長には、長年その業界にいるため当たり前になりすぎていて気づけないこと、気づいていないことがあります。また、曖昧には頭の中にあるけどうまく言葉に表せないものがあります

そういうものは、診断士との対話をしているうちに「気づき」を得ることで出てきます

みなさんも家族や友人に悩み相談をしたら、どこかのタイミングで「こう思っていたのか」とか「これが頭に引っかかっていたのか」と気づくときってありますよね。このような気づきを得て頭がスッキリすることを、心理学用語で「カタルシス効果」と言います。

診断士はこの「カタルシス効果」を引き出す支援(手伝い・サポート)をしていきます。

以上、今回は診断士がコンサルティング業務で求められていることについて見ていきました。

今回もありがとうございました。