みなさん、こんにちは。
今回は「コンサルタントは怪しい」というイメージにもつながっている「専門用語連発」や「知識ありきで誘導してくる」について見ていきます。
2次試験でもこういうことをしていませんでしたか?
それでは、今回もよろしくお願いします。
一方向のコミュニケーション
世間一般の方が「コンサルティング」でイメージするのはこういう「一方向のコミュニケーション」です。
つまり、「先生」であるコンサルタントが「はい、これが正解です」という案を一方的に押し付けるやり方です。これは税理士が典型例ですが、診断士でもよくやっている方がいます。
しかし、これって相手の社長や従業員は満足しません。つまり、こういう「一方的に押し付けるやり方」は診断士としてやってはいけないことになります。
そりゃそうですよね。相手の社長や従業員からしたら、いきなり何も知らないものを出されてそれを受け入れろと言われても困るだけですし、受け入れるわけもないですね。自分のニーズ(意見)は聞いてくれないし、提案されたものも自分のニーズを踏まえたものではなくドヤ顔で一方的に押し付けられただけのものなので、「最適なもの」ではありません。何だかんだ理由をつけられて断られてしまうだけです。
そして、「自分勝手な人だ、上から目線で感じが悪い」という印象になり、「安心感・信頼→満足度→納得→行動につながる→結果が出る→リピート利用・口コミによる新規の顧客や仕事の獲得」の流れは一切享受できません。「失礼」と思われるので、相手が離れてしまうのです。

「上から目線で感じが悪い」というのは、話の内容だけでなく、話し方(声のトーンや口癖など)、態度からも相手は感じ取ります(メラビアンの法則ですね)
自分の知識やスキルありきでそれに誘導するのはNG
みなさん、受験生のときは2次試験で与件文の内容を重視していましたよね。少なくとも与件文の内容を完全に無視して解答を作成する方はいなかったと思いますし、自分の知識やスキルありきで解答を作っても「アイデア解答」と評価されて点数は低くなっていましたよね。
実は、実際の支援も2次試験で仕組みは同じです。与件文の内容が「相手企業の状況やニーズ(需要)の内容」になっただけです。そのため、実際の支援でも自分の知識やスキルありきで改善策を提案しても、「アイデア解答」となって相手企業の社長から突っぱねられるだけです。しかし、合格した後に診断士が支援を行うと、まぁこれをやる人が多いこと多いこと。。。もちろん僕も含めて(笑)
具体的には、最初に相手企業の概要だけネットなどで調べて「これが俺の意見だ、解決策だ」とか、「俺がもっているシステムに当てはめて解決策を考えたぞ」とか、「ウチの会社ではこれを使っているのでぜひどうぞ」とか、「他社はこうしているからこれに決まっている」と言って経営者に押しつける診断士が多いのです。
はい、これは先ほど見た「一方向のコミュニケーション」ですよね。これらはすべて「自分の意見ありき」になっています。こういうものが先ほどの「一方的に教えること=一方向のコミュニケーション」です。
専門用語や知識をドヤ顔で出して押し通すことはNG
これも一方向のコミュニケーションの例です。2次試験ではこういうことはしませんよね。しかし、実際の支援でこれをやってしまう診断士は結構います。もちろん実務補習でもそれをやって指導員から指導される人が出てきます。
私も今の仕事に就いて間もない頃、BSCとかEVAなど診断士の講義で習った知識をドヤ顔で使っていました(BSCはバランストスコアカード、EVAは経済的付加価値です)。
受験生や診断士なら覚えておくことですが、相手企業の社長はBSCやEVAなんて知りません。それなのに、「いや、BSCはすごいですから必ず役に立ちますよ」などと言って押し通していました。相手の経営者が戸惑っているのに、その思いを無視していました。 そんな中で無理やり押し通していたため、支援の結果は失敗。もう次の契約(リピート利用)はありませんでした。
診断士として習った知識は覚えておくに越したことはないですが、相手企業の話に関係ない知識をドヤ顔で披露しても相手は困るだけです。
今回は診断士がやってしまいがちなことを見ていきました。これをやらなくなるだけでも、診断士としてかなりの差別化が図れます。
今回もありがとうございました。