受験生へのありがた迷惑

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みなさん、こんにちは。

今月末には2次試験があります。診断士の方ならもう「懐かしい」という感覚でしょうか?

そのせいか、受験生の頃の緊張感を忘れた「ありがた迷惑」な投稿をする方がいます。

僕は以前にもこのような記事を出しましたが、今回はこの記事の復習にもなります。

それでは、今回もよろしくお願いします。

「いち中小企業診断士」としてこの時期感じる違和感

1次試験や2次試験の超直前になると診断士試験の合格者が、SNSで一問一答のような問題や、直前のヤマ当てとか、難易度の予想などの投稿をすることがあります。

下手をすると「あと●日」と煽るような投稿をする人もいます。

僕は「受験メンタルカウンセラー」として受験メンタルのことはそれなりに知っていますし、大学受験から含めると数々の受験生を見ていきました。

その経験から言えることがあります。

あれって受験生のことを応援しているようで、受験生からするとありがた迷惑なんです。上から目線や人ごと感も出て受験生からするとムッとしやすいものです。

一問一答については、問題を出されて解けなかったら動揺するし、ヤマ当てや難易度の予想もそれに期待して本番で外れたら動揺します。

「あと●日」と言われたら不安がどんどん増えていくだけです。

解けても、ヤマや難易度が当たっても「まぁそうか」とそこまで安心にはつながりません。

なぜこういう投稿をするのか?

ここからはこういう「ありがた迷惑」や、上から目線や人ごとのような投稿をする心理、その投稿を受験生がどう捉えるかをご紹介します。

この手の投稿をする側にはいくつかの心理が混ざっていると思います。

  • 純粋に応援したい
    →「最後に少しでも役に立てば」という善意。本当に悪気はない人が多い。
  • 知識を披露したい
    →「私はこれだけ分かっています」「合格者です」という自己表現。本人は意識していなくても承認欲求が含まれていることは少なくない。
  • 専門家として存在感を出したい
    →将来の仕事につなげたい、フォロワーを増やしたいというマーケティング的な意識。
  • 受験生だった頃の緊張感を忘れている
    →これが一番大きいです。合格して時間が経つと、試験直前の精神状態(不安や緊張感など)を忘れてしまう。

そして、受験生側は意外と違う受け止め方をします。

例えば、一問一答。合格者からすると、「1問でも受験生とって直前の確認になればいいな」という気持ちかもしれません。

でも受験生は、「えっ、この問題解けない…」「こんなのも分からない自分は大丈夫かな」「あと●日しかないのに不安を増やすな」となりやすいです。直前期は普段以上にメンタルが不安定だから、たった1問でも動揺することがあります。

逆に解けても、「よし!」というより「これは解けて当たり前だよな」くらいで終わることも多いです。

つまり、解けなかったときのダメージのほうが、解けたときの安心感より大きいのが受験生の心理です。

これは心理学でいう「ネガティビティ・バイアス」とも一致しています。

ヤマ当ても同じです。もし外れたら「時間を無駄にした」「この人を信じた自分が悪かった」となります。

逆に当たっても、「たまたまだな」くらいです。受験生にとってのその人への信頼が上がるわけではありません。

難易度予想も同じです。「今年は簡単ですよ」と言われて難しかったら大きく焦ります。「難しいですよ」と言われて簡単でも、それほど得をした気分にはなりません。

つまり、ヤマ当てや難易度予想は、外れたときのリスクに比べて、当たったときのメリットが小さいわけです。

さらに、「あと●日」というのも、そういうのを気にしたくない受験生からすると本試験の日が迫るにつれてどんどん不安が大きくなります。

このように、合格者(診断士)のSNS投稿は受験生からすると、ありがた迷惑になりやすいのです。

上から目線・人ごと感の理由

「上から目線」「人ごと感」についても理由があります。

合格者は無意識に「私はもう向こう側の人間です」という立場から話してしまう心理があります。

これは受験生からすると「もうオレ関係ないもんね。まぁ、せいぜいがんばれや」と言っているようなものなのです。

例えば、「最後まで諦めずに頑張ってください!」という言葉。これ自体は悪くないでしょう。でも直前期の受験生からすると、「頑張っているのは分かっている」「今さらそんなことより、静かに見守ってほしい」と感じることだってあります。

一方で、受験生の立場に立てる人は、「今の時期は新しい知識より、いつも通りやることが一番大事」とか、「SNSを閉じて、自分の教材だけを信じよう」という発信をする傾向があります。こちらのほうが、受験生の心理状態を理解したメッセージになりやすいです。

相手のことを考えてますか?

実は、この違和感は「受験生を応援しているかどうか」の問題ではなく、相手目線になれているかどうかの問題です。善意であっても、相手がどう受け取るかまで想像できる人ほど、直前期には「余計な情報を増やさない」という応援の仕方を選ぶことができます。

そして、これは中小企業診断士という職業柄で考えても教訓となることです。

つまり、「相手のため」と思って提供している情報が、本当に相手の利益になっているかという視点です。

診断士のコンサルティングでも同じで、「役立つ情報」を渡すことと、「相手が今必要としている情報」を渡すことは一致しません。だからこそ、相手の置かれている状況や心理状態を想像することが重要になります。

今回は試験直前期のSNS投稿について見ていきました。

以前も述べましたが、予備校講師とプロの受験カウンセラー以外は受験生には余計な刺激を与えないほうがいいです。受験生からするとほとんどが「ありがた迷惑」か上からの目線・人ごとの投稿に見えてしまいます。

今回もありがとうございました。